子どものころに通った耳鼻科 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

こどものころに通った耳鼻科クリニックがある。最寄り駅の前にある耳鼻科クリニックだ。住宅街の実家の近くには耳鼻科そのものがなく、駅前の耳鼻科まで行っていた。何回も行っていたかはさだかでないのだけど、なんとなく覚えている。幼稚園ぐらいのころだったろうか。

 

耳鼻咽喉科のスプレーの薬にボスミンというのがある。血管収縮剤として鼻の中によく噴霧する。10年以上もこの薬を患者さんの鼻の中に入れながらも、自分自身が使うことはなかった。あるとき、鼻づまりがひどくなり、自分で自分の鼻の中にこの薬を噴霧した。

 

すると、不思議なことに、幼稚園のころに通った耳鼻科の院内の光景がよみがえったのだ。ボスミンのにおいが、記憶を呼び起こしたのだろう。においというのはかなりあとあとまで記憶が残ると聞いている。一瞬にして耳鼻科の院内の光景がボスミンのにおいをきっかけによみがえったのは驚きだった。

 

そんな耳鼻科も、もう閉院するそうだ。僕が幼稚園のころだから、少なくともそれから、50年はたっている。後継ぎもなく、一人で頑張ってきたのであろう。御年87歳だそうだ。よく今まで頑張って診療してきたと思う。

 

お疲れさまでした。

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