『あの〜、



嬉しいんだけど、



勝手に死にそうにしないで』




頭を撫でながら優しく笑う涼太。







「りょうたに何かあったらって生きた心地しなかった。


良かった。 ちゃんといる。」




確かめるように涼太の顔に触れる。




「痛そう」



『痛いよ、少しだけね』






触れていた手を取り




『ありがとう 心配かけてごめん』




って反対の手で涙を拭ってくれる。







そんな涼太を見て


また涙が溢れて止まらなくなる




『おーい! こんな泣き虫さんだったなんて知らなかったよ』



「私も」



『てことは、俺だけが知ってる舞さんてことだね』









「もうさんは要らない、



舞でいいよ。



私……ずっとりょうたと居たい。





りょうたが好き




いっぱい



いっぱい



好き




大好き♥」

















ナースステーションで病室を教えてもらいドアの前に立つ、



ノックをするだけなのに

心臓が飛び出すんじゃないかと思うほどに早打ちをしている




大きく息を吸って、ひと呼吸置いてからノックを3回鳴らした








『どうぞ』





涼太の声だ!!!!!






それだけで泣きそうになる







引き戸を開けて顔を見た途端に


ギリギリで保っていた自制心が崩壊した。









「りょうたーーーー!!!!



良かったあ!!!!!!



もう!めちゃくちゃ心配したんだからね!!!



良かった!!!



生きてた!!!!」




うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!






ベッドサイドに突っ伏して泣きじゃくった












『え、迎えに行くって、ここ東京だよ』




「わかってる」



『1人でちゃんと帰れるよ』




「帰れるかもしれないけど、迎えにいく! 病院教えて!」


ヒートアップしそうな気持ちを必死に沈めて声のトーンを落とす





直ぐに返事が返ってこない、




後ろの方から


「涼太、迎えに来てもらったら?


母さん明日は空港まで送ってやれないよ」


と声がする。





家の方が側にいてくれてることが分かりホッとする。






母:「もしもし、舞さん? 涼太の母です。


この子、カッコ悪いとこ見られたくないだけなんですよ、


〇〇病院、△△にあります。


遠くから大変だけど、お迎えお願いしてもいいかしら?」



舞:「はい!もちろんです。明日迎えに上がります」




会社に有給休暇の申請をして、


そこからどうやってエアチケットを取って、


身支度をしたのか、、あまり記憶がない。






いつもはワクワクする羽田空港も、全然ワクワクしない。


きっと怖い顔になっていたであろう、


スマホを睨みながら、どうにか病院へと辿り着いた。