『え、迎えに行くって、ここ東京だよ』
「わかってる」
『1人でちゃんと帰れるよ』
「帰れるかもしれないけど、迎えにいく! 病院教えて!」
ヒートアップしそうな気持ちを必死に沈めて声のトーンを落とす
直ぐに返事が返ってこない、
後ろの方から
「涼太、迎えに来てもらったら?
母さん明日は空港まで送ってやれないよ」
と声がする。
家の方が側にいてくれてることが分かりホッとする。
母:「もしもし、舞さん? 涼太の母です。
この子、カッコ悪いとこ見られたくないだけなんですよ、
〇〇病院、△△にあります。
遠くから大変だけど、お迎えお願いしてもいいかしら?」
舞:「はい!もちろんです。明日迎えに上がります」
会社に有給休暇の申請をして、
そこからどうやってエアチケットを取って、
身支度をしたのか、、あまり記憶がない。
いつもはワクワクする羽田空港も、全然ワクワクしない。
きっと怖い顔になっていたであろう、
スマホを睨みながら、どうにか病院へと辿り着いた。