大変なときは「転んでもただでは起きない」という発想を! | メンタル和尚の法話録

メンタル和尚の法話録

高野山真言宗 勢見山 観音寺の住職がしなやかに寛いで生きるコツ、
面白い自遊人になるヒントを綴っていきます

 人生は順風ばかりではありません。腹立たしいこと、情けないこと、残念に思うことも多々あります。深い悲しみや挫折を味わったり、不運な目やトラブルに巻き込まれたり……。
 
 そうした大変なとき、人は何を語るのか。話の中身は、主に次の2点でしょう。


 ・人のせいにして、相手を非難する。
 ・かわいそうな自分をアピールする
 
 心当たりはありませんか?
 愚痴や文句を言っているだけでは、問題の解決にならないし、運を下げるだけです。大変な状況に陥ったとき、まず考えなければならないことは次の2点です。

・これからどうしたいのか。
・この出来事をプラスに転換するアイデアはないだろうか?

 たとえば、何か問題が起きて、そのショックの度合いを仮にマイナス10と数字で表すことにしましょう。マイナス10の出来事があったとき、人はそれをゼロに戻そうと考え、頑張ります。しかし、ゼロに戻しただけでは、悩んだり、つらい思いをしただけ損です。

 マイナス10の出来事は、プラス10に転換できる可能性(潜在的な力)を持っています。だから、ゼロに戻すにとどまらす、この事態を利用してプラス10以上にもっていってやろうと発想するのです。

 巨人軍で活躍していた桑田投手は、ランナーを出したとき「しまった」と落胆するのではなく、「これでゲッツー(一挙に2つのアウトを取る)のチャンスがきた」とほくそ笑んだそうです。

 「転んでも、ただでは起きない」という言葉を聞いたことがあるでしょう。転んだとき、ただ起き上がってきただけでは、痛い思いをしただけ損です。「プラスのものをつかんで起き上がるチャンス!」。こうした発想をいつも心がけていると、天が味方して、素晴らしいアイデアを授けてくれるのです。