
みなさま、こんにちは。はじめましての方も、改めましての方も、ご挨拶させていただきます。北条音寧(ほうじょうおとね)と申します。
芸名ではありません。本名です。普段は全く違う業界で働いています。
この度、再び劇団天動虫さんの舞台に立たせていただくことになりました。
昨年出演した『ロミオとジュリエット』から続くご縁です。出演しながらぐっ!と捕まれた天動虫さんの舞台、そしてその独特の世界観にまた浸ることができることに、わくわくが止まりません。
わくわくしながらも、これまで『ロミオとジュリエット』、そして『アイデンティティ』に参加させていただいた私は、ふとひとつの不安を抱えていました。
それは、私はもう「感性の死」を迎えてしまっているのではないか、という不安です。
効率化とスピード、論理と思考にのまれて生きている私は、答えのない問いにぶち当たった時、何かを何かから感じたい時、「これはどれが正解?」と、ついつい解答を探してしまいがちです。世の中にあるものは別にテストではないのに、なんとなくずっと正しくあることを求められているような。ちょっと面倒になると、「こんな時は人類の叡智、AIだ…!」と、なにかを感じること、すぐに答えの出ないことについて考えること、を諦めてしまったり。そしてchat gptの履歴を眺めた時ふと胸がざわつくんです、「私ついに感性が死んだ…??」というふうに…………
天動虫さんの作品に参加していると、稽古中に何回かは「私なんで演劇するの?」という問いかけが自分の中に発生します。このマクベスの公演に参加するにあたり、また考えました。
日々最速で答えを出したがりな私にとっての演劇とは、ふと自分自身に立ち返らせてくれる、そこで考えたこと、感じたこと、それを大切にして良いと思える場所です。だから、正しくあり続けるべきな気がしながら日々を生きている私に必要で、私は演劇が好きだ!!と思ったのです。
答えを求めたい時勢の中で答えに辿り着くのが大変な問いに漕ぎ出すのはかなり勇気がいることだとおもいます。でも演劇の場は、現代のそういった波から外れられるチャンスなんじゃないかなぁと思ったりもするのです。
もしお客様の中にその勇気持つのは難しいよね〜〜って方がいらっしゃったら、演劇を通して、一緒に漕ぎ出せたらいいな〜と思っています。
(私も「漕ぎ出したいな〜〜けど普通に生きてたら難しいよな〜〜」って思っているので…)
そして何より!!
素敵な皆さんとそれを共にできることも本当に嬉しいですし、その時間を大切にできるように努めたいと思っています。
そんな勇気の光を灯す一助になれるよう、精一杯がんばります。
ぜひ、劇場まで足をお運びください!
お待ちしております。
北条音寧