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来迎寺の松

佐太中町7丁目

木版画同好会「ばれんの会」

服部昌之

 

現在来迎寺は浄土宗知恩院の末寺で、元は大念仏宗佐太派の総本山。創建は大念仏宗中興法名明上人の弟子実尊誠阿上人西願が正平2年(1347年)に下仁和寺庄守口村に一宇を建立したのが始まりといわれている。しかし住職が代わるたびに本堂を移し、延宝6年(1678年)永井家より現在の寺地を賜り定堂となる。

 

来迎寺が佐太中町に本尊を移してから320年程経つそうですが、門をくぐると真っ先に視界に入ってくる松の樹は、一説では樹齢500年とも600年とも言われているそうです。松の皮が亀甲のような形になっているのが特徴で、このような形になるのは非常に古い証拠だそうです。見るからに迫力があります。確かに近くにある松の皮はこのような形にはなっていません。

長い間根を張り続けてきた松ですが、現在は幹の中ががらんどうになっているそうで、お寺の方も幹が腐らないように穴をふさいだり、肥やしをやったり、お酒をかけてやったりと、愛情をかけておられます。国の重要文化財とされている「絹本著色八幡曼荼羅図」や大阪府指定有形文化財の石造十三重塔、そして、あの「幽霊の足跡」で有名な来迎寺ですが、この松も素晴らしく、必見です。

景山純一

(高瀬町5)

転載:守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ