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白山神社

大日町2丁目

木版画同好会「ばれんの会」

蔵本きみ子

 

河内名所図会には、「六番村田園のなかにあり今藤森という」とあることから、昔は田園のなかにあったと考えられる。現在の本殿は覆屋の中に一間社流れ造りの白山大権現、春日大明神の二殿が左右に並置され、江戸中期の建立と見られる。

 

昭和30年代、私がまだ小学生の頃、白山神社の秋祭りにみこしの上に乗って太鼓をたたく人に憧れました。独特の衣装が子供心に非常に格好良く映り、「いつかはこの衣装を着て太鼓をたたくぞ」と心に誓ったものです。特に烏帽子が印象的でした。しかしながら、いつだったかの祭りでの喧嘩が原因で、このような形のみこしがなくなってしまったことが残念です。さて、1年を通じて私がおもちゃを買ってもらえるのはこの祭りの時だけでした。屋台がずらりと並び、その中におもちゃを並べた屋台が必ずありました。近所におもちゃ屋がなく、買うなら土居、千林まで行かなければならなかった私達にとって、本当に楽しみで待ち遠しいイベントでした。豊かになった現在でも、少しずつ形は変わりながら、この良き風習は受け継がれています。子供達がだんじりを引き、鐘と太鼓をたたきながら町内を練り歩く姿を見て、地域への愛着を感じています。

萩原輝夫

(佐太中町1丁目)

転載:守口守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ