39

佐太天神宮水鏡の池

佐太中町7丁目

木版画同好会「ばれんの会」

清田初美

 

佐太天神宮は、菅原道真が祭神。道真が延喜3年(903年)2月25日に没し、50年後、道真自作の木像を神体として創建。道真が太宰府への途、この地にしばらく滞在し、木像と自画像を残され、その時、自画像を写す鏡として池の水をつかったことから由来している。

 

佐太天神の本殿の東側に菅公水鏡の池がある。社伝によると、菅公水鏡の池とは御祭神菅原道真公が筑紫へ左遷の途次、この池に御姿を写され、自画像を残されたのでこの名が生まれたと伝えられている。市街地に残された貴重な自然として「大阪みどりの百選」に選定され、守口市の保存樹林に指定されている天神の森の中に、水鏡の池がある。市内では、池が希少価値となった今日、この池には昔の自然がまだ残っている。池に関わる楽しみな自然観察としては、冬になり水が少なくなると白鷺や青鷺が訪れてくれること。6月頃になると池に住む亀が境内に這上がって来て産卵の準備をすること。夏場には食用蛙が独特の大きな鳴き声を聞かせてくれること等がある。この豊かな自然を眺めながら新たな自然に出会えることを楽しみに、今日も散策をしたい。

三森定昭

(佐太中町7丁目)

転載:守口守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ