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光明寺十一面観音

八雲北町2丁目

木版画同好会「ばれんの会」

高松真澄

 

光明寺は真言宗御室派仁和寺の末寺で、大同元年(806年)、空海の開基と伝えられている。もとは八雲神社の宮寺であった。本尊の十一面観音立像は守口市内に残る最古の仏像で身丈3尺5寸、一木造で国の重要文化財の指定を受けている。

 

真言宗光明寺の本尊十一面観世音菩薩は、寺伝では行基菩薩あるいは、弘法大師の作と言われ、大正4年国宝に、昭和25年重要文化財に指定されている。御丈3尺5寸、樟材の一木造で、ノミの冴えと、翻波式(平安初期の仏像に見られる、衣の表現形式。角味を持った波と、丸い波とが交互に規則正しく繰り返される彫刻)の彫法で、平安初期(弘仁、貞観)の特色を持ち、同時代の仏像の中でも特に優秀なものとして有名で、守口市を代表する文化財である。本堂正面の額に「施無畏」とあります。これは観音様の別名で、どんな畏(おそ)れも無くなる「無畏」を施して下さる。「11面」これは11の顔が様々な表情をしています。その日によって変化する私たちの心に合せて、導き救うために様々な表情をしているのです。

西端良諦

(八雲北町2丁目)

転載:守口守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ