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難宗寺の大銀杏
竜田通1丁目

木版画同好会「ばれんの会」
清田義雄

難宗寺は文明7年(1 4 7 5年)吉崎を退出し、枚方市出口に光善寺を創立した蓮如上人が、文明9年(1 4 7 7年)に創立した守口御坊が始まりと伝えられており、慶長1 6年(1 6 1 1年)には本願寺掛所に昇格し西御坊と呼ばれる。境内の銀杏は樹齢約5 0 0年、木の高さ2 5メートル、樹経1. 5メートル、昭和5 0年、府の天然記念物に指定。

京街道の「守口宿」のあった竜田通に難宗寺がある。その本堂を包み込むかのようにイチョウが立っている。木の高さ約2 5メートル、直径約1. 5メートル、枝張約1 5メートル、樹齢は約500年。気の遠くなるような年月である。ずっとイチョウは私達のまちを見続けてきた。毎年春になると何1 0万もの新緑が芽吹き出す。夏には空を覆うほどの新緑となり、秋にはそれがまばゆいほどに黄葉する。そして晩秋の報恩講の頃には、それら何1 0万もの葉が木枯しの風とともに一斉に舞い降りて、あたり一面に黄色い絨毯を敷きつめるのである。こんなに美しい絨毯を私は他に知らない。季節を感じながら今年は息子と一緒にこの絨毯の上を歩いた。冬の間冷たい風にさらされて寂しそうに立っているイチョウだが、来年もまた何1 0万もの新緑をつけることだろう。その力強い生命力が見るものを感動させてくれるに違いない。息子の代にも。そして孫の代にも。
水谷治人

転載:守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ
(浜町1丁目)