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文禄堤

本町2丁目

木版画同好会「ばれんの会」

井野 次正

 

豊臣秀吉が文禄3年(1594年)毛利・小早川・吉川の三家に命じ築造させた。当時の年号からこのように呼ばれる。伏見と大坂を結ぶ陸路が不便であったため、距離短縮の目的で築造し、約2 7キロの道路、これが京街道。のちに東海道と呼ばれ、当時は大名行列など多くの人たちで賑わった。

 

私たちの町並み「文禄堤」は、守口駅周辺では独特の雰囲気をもった地域です。古い雰囲気をかもしだす情緒のある家々が並んでいます。しかし、最近はこのようすも徐々に変わりつつあります。古い家をこわし、新しい家やマンションにと、変わり始めました。無理のないことだと思う一方、古い建物を残しておいてほしいと思う気持ちも多いにあります。古い建物の良さを残し改築していく方法はないものでしょうか。他の地域ではどのようにしているのでしょうか。一例ですが、4月にこの文禄堤にオープンされた「追立」と言う中華料理屋さんは、古い酒屋の趣を残し、雰囲気のある店に改築されて、ずいぶん賑わっているようです。私の写真館も、追立さんをみならい、古き良き建物をそのままに味わいのある写真館として、漆喰壁、うだっ、そして腕の良さで頑張っていきたいと思います。文禄堤をやさしく見守っていきましょう。

三好章

(本町2丁目)

転載:守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ