日本の電気代は高いとよく言われますが、なぜ他の国と比べて高いのでしょうか。
電気代が高いと言われる割に、現場では修繕費がないからコストを下げろとよく言われて困ってます。
電気代が高い=収益が多い はずなので修繕費使いたい放題のウハウハじゃないんですか?
原油高で電力会社赤字転落か!?みたいなニュースも数年前からありますし。
人件費が高いんじゃないの?という方、
http://www.energia.co.jp/minaoshi2008/personal/sougenka.html
上をみてもらうと分かるように、燃料費は人件費の3倍ですからね。
燃料費が電気代を押し上げてるということでお願いします。
なぜ日本の電気代が高いか僕の好奇心を満たすために、図書館に行って電力自由化のときに経済学者が自由化ついてまとめたテキストを読んできました。
電力自由化の制度設計―系統技術と市場メカニズム/著者不明
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欧米と比べて、
1.項目別に資本関連費用が高い
ただし、自由化が進んでない日本は自分で電気を作らないといけないので資本にかける費用が大きくなり、自由化が進んだ欧米は電気を他所の会社から買う割合が多いので資本にかける費用が少なくなり、その分購買にかける費用が大きくなります。
2.部門別には流通費が高い
費用から生産費(発電費)や販管費を引いたものかな?
これは設備投資や供給コストが高いからだそうです。
具体的になぜ高くなるのか?
・停電時間を短く保つため →阪神大震災で平均停電時間が例年の3倍になったときでさえ、他国の半分以下でした
・環境対策に力を入れるため →日本は他国と比べてSOx、NOx規制が厳しく、他国よりはるかに排気がきれいです
・負荷率が低いため →他国と比べアメリカや日本はピークとオフピークの差が激しく、わずかなピーク期間にしか使わない発電所などをもたなければならず無駄ができてしまう
・設備が高いため →資機材が高い上、日本の地理的に鉄塔は山間部を通さざるを得ず、高性能高技術な鉄塔が必要。ちなみに重量も値段も平地を通す場合の数倍だそうです。
・土地と土地取得関連費がかかるため →土地代とかいろいろかかりますね。アメリカはこの費用が無視できる水準だそうです。平均するとそんなに安いのかな。
・燃料を輸入しているため →確かに自国で燃料作れる国と比べたらお金かかりますね。輸送費や保管費も。
また、1999年の国際比較において為替レートベースではドイツなどと並んで日本の電気料金はトップで高いです。ただ、購買力平価ベースでは中位です。と書いてます。
つまり、日本の年間家計で電気代が占める割合は欧米と比べて高くも低くもないですよ、と言うことですね。
じゃあいんじゃないですか。
安くできるなら安くしたほうがよいですが、基本的に品質と価格はトレードオフですから無理に電気代下げようとしたら停電が長くなるか、環境対策が不十分になるのではないでしょうか。