■オープニング Splendid キラキラ輝く
「ナァーーイス ガーーイ!!、ナァーーイス、ガーイ!!」
宝塚歴浅い私でも歌って踊れる、永遠ループするキメ台詞と胸騒ぎの腰つき。
のっけから、白ハット白真風、見参!
掛け声と共に、同じく白ハットにジャケ姿のナイスガイ達、ジャンプイン!!
ディスコダンス風キメとタメのあるポーズ、腰振りカニダンスからのハイキック、ハットを片手で抑えながらの腰落とし。
河底先生の奇抜な配色が吉と転じて、すごいパンチ。
かーらーの、背広裏返しジャケ芸、ハットをつかんでのリフティング?!
サンタ・マリーア!!
腰低め、抜き気味の肩で反らす上体、なびくタイ!!
羽山先生の振り付け、さすがとしかいいようがない。
どこにもない型で、かっこよくて。
そして、ハットを・・・落とす!!
初めて見たときは本当に衝撃だった。
ハットを・・・落とす!!
大事なことなので二度いいました
ニュートンの法則、マジ感謝。
あの落下の数秒に詰められた気障がすごい。
日常では絶対にありない動作じゃない?ハットをわざわざ真下に落とすなんて。
投げキスとかウインク並みの、現実ではありえない仕草がこんなにもかっこいいという魔法な。
床にハットが落ちてる状態で皆踊りまくるので、後ろの人のハット踏んじゃうんじゃ・・・なんて、パンビーの心配は無用。そこはゾーン。
彼らは未来に生きている。現実ではない。
それと、すっしーさんの、オールバックにひとすじのシケが垂れてる8・8・3と書いてやばみ。
NICE GUY!!の歌詞は、ゆうひさんのときは 「Yの法則」そのままに、小節のはじめがYで韻を踏んでいるが、(やさしいほほえみと YYY 優雅な身のこなし 野生の強さで 酔わせてあげるから)、今回は 「Sの法則」とのことで、ちゃんと全部Sに変わってる!!
さわやかなほほえみと SSS! スレンダーなボディー 略 すずしい瞳で しばりつける 等々
ショーの場面も、全部Sから始まる名前に代わってる。
この手の言葉遊び、大好き。さすが宝塚のライムスター、ダイスケ先生。
このオープニング、あまりにもダイスケ先生本人にぴったりで、どっかに混じって一緒に踊ってんじゃないかと思う。
■Sayee 相手
まどかちゃんとの夫婦漫才&ご当地アドリブのシーン。市川探すの大変だったろうて。
私が観劇した際は、なんと、「びわ」「ばら最中」
超スタイリッシュな姿の真風の口からでてくる 「枇杷」 って単語が、あまりにも似合いすぎて、本当にほっこりした気分になりました。
そして「ばら最中」は客席が?となり、真風が解説してくれました。
コミカルを意識したせいで、プンスカするまどかちゃんよりどことなく乙女になってる真風、いとおしい。
■Savage 野蛮な
イケメンオークションのシーンは変わって、舞台はロンドンのハイスクールに。
宝塚ファンタジアのバスケシーンよろしく、ブレザー姿でたむろするやんちゃな生徒達。
そら、さすがに似合う。
バスケットポールを他の生徒とパスしあったり、芹香センセーを追い詰めるガラ悪めの問題児。多分、いや、間違いなく柚香先輩の舎弟。そして、生徒役の組子達もみんな元気元気!
絶対絶命のヘタレ先生キキちゃん、なーんと実は、イケてるロックスターでした!!
・・・ん?なんでだ? チェンジボックスあったっけ? と疑問は沸くものの、誰でもヒーローになれるんだぜ! っていうポジティブソングが明るくてさわやかでノリがいいので、よしとする。
教室からステージに変わるときに登場するパネル、美術さんの渾身のグラフィティアートがさすがのクオリティ。
■Sacrifice 生贄
出ました、耽美シーン。
赤い月の輝く廃墟に迷いこむ逃亡者、ずんちゃん。
ずんちゃんの歌唱はとても感情が乗っていて艶がある。
この場面はやはり美穂姉さんの絶唱の記憶が鮮やか。(※ 美穂さんの正しい使い方)、
妖しいドラマティックな響きはどうしても美穂さんに譲るけれど、まいあちゃんの澄んだ声と美しい艶姿を堪能できて嬉しかった。
濡れ魔風、黒髪魔風、降臨。
真風はリアル男性なのに、こういう人外の役ではちゃんと魔になるのがすごい。
ちょっと和の香りもする。
でもって、ずんちゃんを誘う”棘”達が 8 8 1 やばい。・・・・む、胸、開きすぎじゃなかと?
レッドヘッドのボブ鬘で男役達も踊っているのだが、ちょ、ちょっとその胸際、今にも決壊しそうだよ?
まりなさんやルイマキセがほんとに女性で妖艶で、あのガトボニの猫より目のやり場に困った。見ましたけど。
ずんちゃん、逆さ吊りオツです! 恐怖と忘我で見開いた目がリアルでした。
てか、魔風、ずんちゃんのうなじ噛んだよ!!
てか、その後、口ぬぐったよ!?
おまわりさーーーん、こっちですーーーー!!!!
歩く18禁がいまーーす!!
■Speak easy もぐり酒場
まどかちゃんがタキシード姿のりんきら・もんち (さすがの紳士ぶり) にエスコートされて、ニューヨークのジャズクラブへ。
もんちとまどかちゃんのハーモニーがとても綺麗で聞きほれた。
ゴージャスキラキラの電飾ステージに、ずらっとチャールストンガールズが並ぶのが壮観。
娘役さんのトサカバンドにタコ足ドレス姿も、宝塚のショーらしくて大好き。
そこからのラインダンスも、とてもクラシックでワクワクする。
中詰めはジャズメドレー。
「ジャズは怖い 笑」 と真風が言ってましたけど、確かにちょっぴり平たい顔族のリズムだったかもしれないけど、アダルティな雰囲気は至高。
ずんちゃんの精気があって男っぽい歌にのせて、黒タキシードの真風に、マホガニーブラウンの男達がクールに決める。
シンプルで、最高にかっこいい。
うーん、王道はいい。
まかまど、芹香×さお、そら×まりなの噂の三組のデュエダン、本当に眼球が忙しかった。
まりなさんがすっと足を高く上げたときに、はらりとスカートが滑り落ちておみ足が・・・
長っ!! 細っ!! 色っぽっ!!
またそらが、ええ顔して踊ってるのや!! 男の顔やで!!
二人で見つめあいながら、足を後ろに伸ばしながら腰を落としていく時(テリエール?)、さすがのダンサーコンビ、むっちゃくちゃ綺麗だった。
身長差をまるで感じさせないまりなさん、すごい。
相変わらずキキちゃんは相手役さんを本当に大切に扱って踊ってて、さおは色っぽいし、とにかく目がとっちらかって大変だったが、やっぱり、センターのまかまどの存在感ったらなかった。これぞ、トップコンビの説得力。
黒タキシードの真風の胸に、銀ドレスのまどかちゃんの小ぶりの頭がそっと寄り添ってるのが、なんともなじんでて愛らしい。
ハニーゴールドのお衣装のトップコンビに、娘役の紅茶色のドレスも大好き。ブロンド20年代ハリウッド女優風のまどかちゃんもかわいい。
最後全員でアップテンポで踊りまくるのが、本当に楽しい。
大人のエンターテーメントにふさわしい豪華な場面でした。
■Strephone 恋のとりこ
一夜の夢を女に残し、白いコートを肩にかけ、その場を立ち去るナイスアダルトS。
「傷つける前に旅を続けよう・・・」
って 行っちゃうんかーい! 昭和かーい! (はい、昭和です)
後ろに馬2匹いますけど、もしかして、白馬の王子ってこと?
ちなみに、プログラムの中にこのシーンの真風のポートがありますが、はっきりいって、完全試合です。以上。
■Sacredly 神聖に
気だるい甘さから一転、重厚なピアノの旋律に変わると、風達が駆けめぐり、壮麗なシーンが始まる。
そらのピルエットがすごい。つむじ風みたいだった。
そしてさすがのコーラスの宙組!
花音さん、もんち、桜音れいちゃんという鉄壁の布陣に、ほまちゃん、湖々さくらちゃん、湖風珀君の美しい声、声まで水色に見えました。
ラスボス衣装の真風、ラスボスすぎて本当に光輪が見えそうだった。
役名がナイス・スピリチュアルでも幸子小林でもなく、ナイス・ブロードマインデッドとはこれいかに。
broad-minded= 心が広い
勉強になる宝塚。
真風にはいつか、小林幸子先生のように、”乗り込む”ようなメガお衣装にも是非チャレンジしていただきたい。
ショーの、希望を信じる歌を皆で歌い上げる場面は、宝塚歌劇の素敵なシーンのひとつだといつも思う。
このご時勢、前向きのエネルギーを全面肯定する歌とか場所ってなかなかない。
満員のサッカースタジアムの中で、チャントに揺られてるような恍惚感がある。
東日本大震災にあてて書かれたシーンだということを後で知ったけれど、それを知らなくても、神聖さを感じさせる雄大なシーンだった。
熊本震災の時に全国ツアー公演ができず、そして今年の台風の被害の残る千葉にまた真風が行くというのもとても不思議なご縁。
慰問の時の、真風の言葉を今でも覚えてます。それが誰かの支えになっていることを、被災された方々の日常と心の被害も回復することを心から祈ります。
■sparkle 火花を発する
いきなりガラッとカラーがかわって、セクシャル7ことイケメンスーパー戦隊参上。
イエス、君達なら世界を救える。
この宙組の屋台骨を支える芸達者陣の安定感な。
客席煽りも余裕があって、ダンスも粋で、本当にかっこよかった。真ん中で赤着てそらが踊ってるのにもぐっときた。
からの、黒いダチョウドレスのららちゃん、まいあちゃん、みねりちゃんと真風のシーン。
まいあちゃんの壮絶なスタイル!真風との絡みもアダルティで素敵でした。
で、再び男役が揃ってのナンバー、Speak easyの時とは一味違い、こっちはとことん男くさい。
曲はsummer timeだったと思うのだが、なんとなくジェームスボンド思わせるスリリングなアレンジがかっこいい。
どのシーンもテーマがはっきりしてて、端整。
古典的宝塚のショーの品の良さと、男役の色気がふんだんに味わえて、緩急ついた構成で、満腹感のあるショーだった。 (しつこいけどJpopないのも、本当によかった)
S:芹香斗亜 S:桜木みなと 和希Sそら ・・・みんなSがつくのね。
本公演大移動みたいな充実したメンバーで、とても質の高いショーでした。
宙組も、とても安定して充実してますね。
華妃まいあちゃん、かわいいより綺麗な大人びた娘役さんで大好きでした。
バレンシアの熱い花の美声にやられ、エリザ新公のマダムヴォルフの色気にやられ、いつもその歌声としなやかなダンスを楽しみにしてました。
突然の退団で驚いたけれど、最後の公演、素晴らしい活躍でした。どうぞ、これからもまいあちゃんの道をすすみますように。
とにかくかっこいい、Supreme Spectacular Show でした。
One more time! と叫びたい。