宝塚星組「ANOTHER WORLD/Killer ROUGE」観劇感想的雑感 | 百花繚乱

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駆け出し東宝組。宙から花のように降る雪多めに鑑賞。

       

 

 

■頻脈なショー

テンポが速い速い。 しかもトーンダウンするスローな場面がまるっきりない。

自分の脈拍以上のテンポがずっと続くので、婆は若干息切れが・・

けど、その分すばらしいスピード感と、どの曲も盆踊りなみにめちゃくちゃ拍手がいれやすい

仲間と一緒に冒険にgo グーみたいな、こんな現代的で明るくヒーロー然とした曲を歌えるのは、今のトップ陣だとやっぱり紅さんだと思う。

ゆったりしたスローテンポな曲が全然ない代わりに(ぽこちゃんとこぐらい?)、怪盗とか偽りとか背徳とか、若干中二病的ではあるが、マイナー調のドラマティックな歌がところどころ入っているのもいい。

中詰めの「罪な薔薇」で、「過ちこそが真実」 「理性の仮面捨てて甘美な世界へ」で大合唱されるの一寸官能的哉。

 

■ぽこちゃん十碧れいや

私が初めて星組を見たとき、まだトップコンビしかわからないど・ど・ど・初心者だったのだが、まおぽこがシンメで黒いスーツ姿かなんかで柱の前に立ってたたと思う。

そのあまりの美しさかっこよさに 「宝塚は柱すら美しいのか!」と衝撃を受け、家に帰って必死で名前を調べたのを覚えている。

ガイズのジョーイ、かっこよくて大好きだった。

200パーセント性格いいことがだだもれの、さわやかな笑顔、きらきらしたたたずまい。

私のイメージする「ジェンヌさん」そのものでした。

どうかその笑顔が永遠に続きますように、

 

 

■礼真琴

味方なはずなのに、余裕と貫禄がにじみ出てもはや敵キャラクラスの存在感。なんだそのダークキングダム感。

舞台パフォーマンス通り越して、アトラクション並みの魅せる力

 

もう礼真琴には、永遠に勝ちつづけてほしいです。

永遠に、ブイブイ言わせてて欲しい。

ちえさんとの番組を見たり同期トークを拝見すると、なんでも簡単にできてるわけではもちろんないんだろうと思うけど、でも、礼真琴には自信に満ち満ちて見えててほしい。

どなたかがIT社長と称していて膝をうったけれど、過大な根拠ある自信にあふれてて欲しい。

 

 

■パラパパあーちゃん と 愛のバッテリーくらっち 

バラパパ言いながら口を覆うように手を裏返してるあーちゃんのリズム感と可愛さが無双。(私が鏡のまえでやってみたらただの「ざあます」になった。)

そしたらいきなり御伽噺の世界にど演歌くらっちのこぶしがうなりまくりの「愛のッテリーが足りないの」 

アクセントがたまらなく癖になる。愛が足りないならよく聞くけど、バッテリーって・・・

桜庭舞ちゃんの妖精ハイトーンソング、はっちゃっけてて可愛かった。

 

 

■ベルサイユのバラ

バラの精だ! と喜んだら、バラの蔓の精だった・・というオチがかわいい過ぎるしどう君、とってもくねってた。

あーちゃんの甘くない声&ローズピンクの令嬢貴婦人ドレスが、ベルバラの雰囲気にとてもよくあってた。

あーちゃんは目と目の間にもう一つ目が入るんじゃないかっていう80年代少女漫画のテンプレートの甘い外見なのに、気位の高さと物憂いビターな感じがあってたまらん。縦ロールの似合う娘役No.1。銀翹渡りの後ろ、本舞台で踊っているときのダンスもキレキレ。

で、台湾制作発表の時のあーちゃんの很美麗可愛的ツインピークスお団子は台湾版までお預けかな? 

 

■大階段 

「揃えることなんて考えたこともないよ?」的な星組男役群舞、とんでもない風圧。

冒頭の「うっっ」ていう低音の短いうめき声だけ異様に淫靡にそろってて、まるっきりヤ☆ク☆ザ893ヘクトパスカルの色気

階段見あげた瞬間、「タマとられる!!」 って覚悟した。

 

(参照: 気圧は低ければ低いほど破壊力がある。標準1000Ha。940Haが強い台風、895Haがオズの魔法使いの町が飛ぶレベル)

 

最近各組ともスタイリッシュな群舞が続いてたから、ノーガードで真正面からくらって致命傷を追ったわ。

星男の中心で反りまくり、歌いまくり、踊りまくるこっちゃんの震源地ぷりったらない。

かなえさんのダイナミックなダンス、極美君の美しいスタイリッシュなダンス、星男のパワフルなダンス群をがっつり向こうにまわして誰より魅せてくる礼真琴のダンス。圧巻。

 

「情熱の嵐」紅のマスカレード「炎」  の熱血三部作の流れ、星組全開。

情熱の嵐→ラテン調の「紅のマスカレード」への流れは、若衆出入りからアダルトな色気へって感じでぐっと来る。

渋みのあるバーガンディーのお衣装のペアダンスもシックで素敵。

 

みつるの西条秀樹の「炎」めちゃくちゃいい歌。

歌詞見たら、女に惚れ抜いて「キリキリ舞い」する男の歌で、そんな自分を「心のどこかで笑っている」女に向かって

「一生一度ならピエロも主役さ

うわああああ、ヅカオタあああああああ!! って思ったよね。←ちがう

 

西條秀樹の歌って、体育会系というか、ものすごい体当たり主義。

結局惚れぬいてどうするかっていったら「炎で溶かす」

「君が望むなら命をあげてもいい」 で、じゃ何するかって別に何もせず、愛をシャウトするのみ。

要は根性というか、パワーでひたすら押す。

星組がパワーだけとは全然思ってないけど、たぎりまくる熱血、星組にぴったりだ。

星男の獣性は宝塚の殿堂に入れるべきだと思う。

 

ちなみに、私はみつるさんの歌が大好き。

みつるさんのファンの方が聞いたら怒るかもしれないけど、音程が転落するときも、晴れやかに堂々と骨折するのが男気に溢れていると思う。受け身なんかとらねえぜ、みたいな。

とにかくのびのび活き活き楽しそうに歌うので、説得力がある。

「クローゼットが原色ばかり」というのもとても納得。

荒くぶっきらぼうな息継ぎも男っぽくてとてもいい。

 

 

 

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