花組 メロディア 東宝 感想 | 百花繚乱

百花繚乱

駆け出し東宝組。宙から花のように降る雪多めに鑑賞。

特急列車のように猛スピードで走り抜けるショー。
花組×ラテン、花組×ジャズ、キタコレ。

・Down town jazz
芹香さんが、夜のニューヨークのダウンタウンをバックに踊りまくり謡いまくるジャズナンバー。
芹香さんの横で、るなさん(冴月瑠那)のソフト深かぶり、かぶりすぎてほぼ目見えなくて誰だかわからんレベルなのに、眼が釘付け。
次のれいちゃんちなつさんのダンスは相変わらず高速のキレ。

くみちゃんはじめ、娘役のはっちゃけっぷりがすごいいい。
ソフト帽に、ロングドレス、レギンスにハイヒールという謎な風体だけど。
花娘はしとやかな雨に濡れたろ花みたいな所作もできるけど、こういうかっこいいナンバもきっちりはまるあたりポテンシャル高い。

・黄金境
みりおさんが海賊ルックで朗々と歌い上げ、征服者=コンキスタ側達ブルーの制服を着た男役たちを従えて登場。
いい曲です。スピーティーで、ドラマチック。
くるくる回るコンキスタ達、Pちゃんやマイティ達の洗練された海賊っぷり、さすが花男。
女海賊役の紅一点、花野じゅりあさんもいかす。
鳳さんは、このシーンで踊る下級生の男役達に、「(男役として)じゅりあさんに負けてたらだめだからね」と叱咤激励してたらしいけど、ねーさん、ほんとに大胆な動きで見惚れます。

そして、バーンと銅鑼が鳴って、黄金の国エルドラドの王、全身金ぴかの御大・瀬戸かずや先生、満を持しての登場。
キンキラは、宙組の王家で慣れたつもりだった自分、がつんと目を覚まされましたよ。
初学者の自分、ヅカの金色に対する執念をちっともわかっちゃいなかったぜ。
より黄色味が強く、より不安定で、より角膜に厳しい、情け容赦ない金ぴかっぷり。もはや外道の域。

しかし・・・あきら・・・何故その鬘・・・
愛してますよ、愛してますけど、その鬘は・・・・。人類と言うより黄金の爬虫類に近い。
スネ夫というかなんというか、こういう頭の悪そうな外国のお坊ちゃん、昭和の少女漫画に出てきそう。
その横のクレオパトラ花乃まりあちゃん、同じくキンキラのお衣裳、似合ってた。
それから明日海さんと瀬戸さんの対決シーン。
この流れも息をつかせぬ展開で、食い入るように魅入ってるうちに終了していく。


・熱き愛よ
鳳真由さんの、銀橋でのソロ。
明日海さんが「男!!って感じ」と評していましたが、真っ赤なテロテロテロな胸空きお衣裳で中央に横たわり、「お前が眠りにつくまでいてやろう」と、がなる肉食俺様系のPちゃん、夢の続きを見せてやろう」とほざくPちゃん、ジューシーです、肉汁ほとばしってますウェルダンです。
 宝塚大劇場で、だいもん (望海風斗 元花組、現雪組二番手)が観劇してた時は、Pちゃん客席降りしてだいもんの手に口づけてたらしいけど、その時に居合わせちゃった観客、お悔み申し上げます。

・All of me
花乃まりあちゃんの銀橋ソロ&娘役達シーン。
常々、花男は「うちの娘役はほんとうにかわいい!」と絶賛を惜しまないのだが、このシーンを見れば納得。
私にとっては、このショーで1、2を争うほど好きなシーン。

かのちやんのお衣裳が紅茶飴の色で、娘役たちのお衣裳がキャラメル色で、美味しそう!・・じゃなくて、シックで大人っぽくて、キュート!!
 悪戯っぽく肩をすくめたり、楽しげに指を鳴らしたり、片足をぴょこたんと上げたりする仕草、くるくると回る瞳に、晴れやかな笑顔。
 このシーンは手の使い方が面白い。
肩の力を抜いて手だけぶらぶらさせてスキップしたり、梯子をつかむような素振りがあったり。デコルテの空いたドレスに花娘たちのほっそりとした手がすっとのびて、ほんっとに綺麗・・・・

特に、「take my lips唇はあなただけのためにあるものよ」と、かのちゃんが唇の前で指をびらびらさせる仕草・・・あれは、だいもんの彼女はエメラルドの中での顔の横の手のびらびらボムぐらいの破壊力。
 それと、コンパクトをあけてぱたぱた顔におしろいをつける振
 大人の女性がデート前にめかしてる雰囲気でもあり、魔法少女(古いね)を彷彿とさせるようなきゃぴきゃぴとした愛らしさもあり、いやー、いいシーンだ!!
いつも笑ってるべーちゃん、やっぱり笑ってた。くみちゃんは、こういう大人っぽい衣装、さすがによく似合う。あかりちゃんのおきゃんな表情も、衣舞さんの鎖骨も絶品です。

・男役黒燕尾 my favorit thing
からの、男役総出の大階段黒燕尾ですよ。
ファンタジアの黒燕尾がよすぎて、一抹の不安をもって見たこの黒燕尾。
に予想の斜め上か、たまに斜め下を行くヅカの底力、マンネリを安定の魅力に変えてしまうヅカマジックを思い知るはめになった。
とてもよかった。

のっけから、中央の明日海さん以外は、背中を向けてのスタート。
「男役は背中で語る」と言いますが、ただ、後ろ向いて、肩揺らしてるだけのシーンなのに美しい、これぞ宝塚マジック。
あの圧倒的な力はなんだろう。

途中、男役が舞台中央で満員電車並みに鮨詰めになって体をうねらせるシーンがあるのだが、胸中声にならない悲鳴をあげたよね。
こんな天国行の電車・・・・ジョバンニかザネリ呼ぶわ。サンホセでもいいよこの際。(もうなに言ってんだかよくわからん)

そして、娘役達が、今度は純白のロングドレスで銀橋渡り。
貴人テイストの定番花娘ロングドレス、使い古された表現だけど、白鳥としかいいようがない。
銀橋の上の七人の娘さんお相手に我らが最終兵器彼氏・瀬戸さんが黒燕尾で七人斬りの銀橋渡りですよ・・・。なんなの、もうなんなの。