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9月1日 火曜日。はれ。


洗濯後、散歩。


よく晴れたので、少し遠出してみる。

途中、緑色のビニール袋を持った人と頻繁にすれ違う。
なんだろう。みんな持ってるけど。

公園があったので、ベンチで休む。

いつの間にか、うとうとしていたらしい。
目を開けると、隣に大きなひさしのついた帽子をかぶった女の人が座っていて、小さい声で歌をうたっている。
メロディーと日差しが心地よくて、また眠りそうになったとき、
急に女の人がうたうのを止めた。

「ここは、公園」

……?

「わたしは、女性」

……

「です」

(外人さんかな……?)


そうっと女の人の方を見ると、
女の人もわたしをそうっと見てきた。
わ。目が合ってしまった。

女の人はふんわりと笑って、
緑色の袋をわたしに見せた。
さっきよく見かけた袋だ。

「これは、パン」

あ、は、はい、

「パンです」

え、あ、はあ

「あ、違うな、これは、袋です。中身は、パンです」

はい……

「顔にまつ毛がついてますよ、しかも二本も」


女の人の指が、わたしの顔に触れる。いいにおいがする。


「パンて、いいにおいがしますよね」

え? あ、はい、

「好きだなあ、パン」


女の人は、緑色の袋の中身をいとおしそうに眺めながら、言った。


わたしも好きです、パン。

「ほんと?よかった」

あの、それ、どこで買ったんですか?みんな持ってるから、気になって。


女の人はまたふんわりと笑ってから後ろを向き、
わたしたちのすぐ左手にある建物を指さした。


「もうあんまり残ってないかも。人気店だから」


大きな時計が壁についている、
小さなパン屋がそこにあった。