100 11月30日 月曜日。くもり。ね。と、看板に呼びかけられる。わたしのこと。わたしがあなたを見ているんじゃなくて、あなたがわたしを見ているんだよ、って言葉があって、意味がさっぱりわからなかったけれど、今は、なんとなく、わかるような気がする。いや、ずっと、むかしから、わかっていたのかもしれないな。今日のわたしにとって、ね。は、「眠り」の「ね」。
97 11月27日 金曜日。はれ。サボテンと、サボテンのおもちゃをテーブルの上に並べて、じっと見る。このサボテンは、季節を感じているだろうか。このサボテンのおもちゃは、季節を感じているだろうか。ふたつのサボテンを見る。ここには、わたし以外のいきものがいる。本物だろうが、ニセモノだろうが、サボテンにも、サボテンのおもちゃにも、わたしにも、関係ない。関係ないけれど、季節は、確実に、変わった。
96 11月26日 木曜日。はれ。朝、洗濯をする。昼、昼寝をする。夜、夕飯をつくる。わたしの生活は、わたしの生活のままだし、わたしの想像の友子さんは、わたしの想像の友子さんのままだ。もしかしたら、友子さんは二度とここには帰ってこないかもしれないし、そうだとしても、わたしは全然、不思議に思わない。わたしの生活は、わたしの生活のままで、夜、眠るための布団は夜、眠るための布団のままだ。そう思って、目を閉じる。わたしは、わたしのにおいに包まれている。