令和５年２月２５日（土）
おはようございます！ ご訪問 ありがとうございます。
冬の夜空は他のどの季節よりも星がきれいで、星座観察を行っている方は多い
のではないでしょうか？
澄んだ夜空でひと際明るく輝く星座は、誰もが知る「オリオン座」です。
長方形をつぶしたような形をした星座の中心部に3つの星が並んだ「オリオン座」は、最も覚えやすく、最も見つけやすい星座のひとつです。
冬の間はよく見えるので、探してみてください！
そして、「オリオン座」を見つけたら、その中にある「星雲」をぜひ探してみて ください！
「オリオン座」の三つ星のちょっと下側(南側)のところを注意して眺めてみてく
ださい。
暗い星が3つ、南北に並んでいるのが見えると思います。これを小三つ星といいます。
次に、小三つ星の真ん中の星をさらに注意して見てみてください。
光がぼうっと広がって、他の星とは少し様子が違うのがわかるでしょうか？
これがオリオン大星雲(M42)です。
オリオン大星雲は、「散光星雲」と呼ばれています。
「散光星雲」は、ガスやチリでできた「星間雲」が、近くや内部にある高温の明る い星の光を受けて光っているもので、一般に不規則な形をしています。
オリオン大星雲以外では「いっかくじゅう座」のバラ星雲や、「はくちょう座」 のペリカン星雲、北アメリカ星雲などが有名な「散光星雲」です。
これらの星雲名は、その形にちなんでつけられています。
「星間雲」は、新しく生まれる星の原料であり、オリオン大星雲は、まさに星の 誕生する空間と言えそうです。
「散光星雲」までの距離は、その星雲を光らせている星までの距離を調べれば知 ることができます。
そして、距離がわかれば、見かけの大きさから実際の大きさを求めることもできます。
オリオン大星雲の距離は約1400光年で、直径は約25光年となります。
また、「散光星雲」の質量は、求めた大きさに、星雲のスペクトルから求めた密 度をかけてやることによって、見積ることができます。
オリオン大星雲の質量は、太陽の質量の2,000倍から1万倍と考えられています。
オリオン大星雲は推定年齢は1万年と若く、星が誕生している空間でもあります。
オリオン大星雲は肉眼で確認できます。肉眼で見える星雲の中で最も明るいもの のひとつとされています。 肉眼ではぼんやりとした光のシミのように見え、通常 は緑がかった色に見えます。
また、低倍率の双眼鏡では、はっきりと見ることができ、淡い光の広がりが確認で きます。トラペジウムに向かう暗黒の切れ込みが確認できる。
さらに倍率の高い望遠鏡で見ると、トラペジウムと呼ばれる4つの星が光っている のを見ることができます。これら４つの星はこの星雲から生まれたばかりの星です。
また、赤外線による観測からは、星雲の中のまもなく星になる「星のタマゴ」が たくさん埋もれている様子が観測できます。
口径6cm程度の望遠鏡で見ると、鳥が飛んでいるような形に見えます。それに、
トラペジウムも確認できます。
口径20cmの望遠鏡では、複雑な暗黒帯の切れ込みがより鮮明に見えます。
この口径から次第に緑色が見え始めます。
天体写真では赤い色を基調に青や黄色など色々な色が混じった写真をよく見かけ ますが、通常の天体望遠鏡では光量が不足してモノクロにしか見えないそうです。
特に赤い色 (Hα) は人間の眼に感知しにくい色のようです。
口径30cmで条件がかなりよければ、トラペジウムを5つの星に見ることができます。
また、口径40cmでは全体が緑色に見えます。 口径50cmではほんの少し紅い色が 混じってきます。 大口径では全体が赤く見えてきます。
ハップル宇宙望遠鏡などの強力な望遠鏡による観測では、オリオン大星雲の中に 塵の円盤に包まれた星が多数発見されています。
これらの星は周囲に惑星系が形成される非常に初期の段階にあるものと考えられて います。
オリオン大星雲は比較的大きい星雲であるため、経験の浅い観測者にとって撮影 対象にされる事が多い星雲です。
70mmF2.8程度の望遠レンズでフィルム感度ISO800で5分間ガイド撮影を行うと、 比較的容易に撮影できる星雲でもあります。
さらに、一眼デジタルカメラで撮影をすると、フィルム撮影のような長時間露出 による感度低下がないため、露出時間はさらに短くできます。
長時間露出で撮影をするとノイズが目立ってくるので、最近では短時間撮影して、 コンピュータ上で合成するのが常套手段になっているようです。
オリオン大星雲は「星間雲」から星が誕生するまでのすべてを見せてくれる
すばらしい星雲であります。
こうなると、天体望遠鏡が欲しくなりました！
それではまた！