こんにちは。月に1度のシリーズ「箱根路を駆けた名選手たち」です。今回紹介する選手は宇賀地 強(駒澤大卒)です。

 

エースの条件って何だろう?

持ちタイムが速い、駅伝でたくさん順位を上げてくれる、高い安定感を持っている…

いろいろ条件はあると思いますが、どうすればエースと呼べるのか、その確信を持つことができていません。

 

ただひとつだけ自信を持って言えることがあります。

それは、宇賀地強という選手ほど“エース”という言葉が似合う選手はいないということです。

 

今回はそんな稀代のエースの箱根駅伝の戦いを紹介します。

 

 

〇高校時代

中学時代にジュニアオリンピック3000mで優勝するなど早くから頭角を現していた宇賀地。作新高校でも常に全国レベルでハイパフォーマンスを見せており、5000mでは一流の証となる13分台のタイムを保持、都道府県対抗駅伝1区でも区間賞を獲得するなど輝かしい実績を積み重ねています。

 

 

〇大学時代

■1年次

高校卒業後は箱根駅伝4連覇が途切れた直後の駒澤大に進学しました。深津、高林と5000m13分台を持つ選手が同期で入学しており、13分台トリオとして大きな注目を集めることとなりました。

 

宇賀地は強豪チームの中でも早速主力としてのポジションを手に入れ、出雲駅伝では6区、全日本大学駅伝では2区とエース区間を任されます。

 

特に全日本大学駅伝では7人抜きと区間2位と好走を見せ、いきなりチームの優勝に貢献します。

 

期待されて迎えた初めての箱根駅伝、宇賀地はスピードを活かせる3区での出走を予定していましたが、エースの安西の欠場に伴い華の2区へとコンバートされます。

 

さすがの宇賀地でもいきなりの2区は難易度が高かったのか、区間13位と駒澤大のエースとしては物足りない走りに。

序盤で流れを掴み損ねた駒澤大はその後も大きな見せ場を作ることはできずに総合7位に終わりました。

 

■2年次

2年次も持ち味のスピードに磨きをかけ、ユニバーシアード10000mの日本代表への選出、出雲駅伝3区2位、全日本大学駅伝2区5位など実績を積み重ねていきます。

なお、この全日本2区で当時のトップランナーであった竹澤(早稲田大)、松岡(順天堂大)と競り合った経験がその後の成長に繋がったとのことです。

 

箱根駅伝は前回のように代役ではなく、本命として2区で戦うことに。

順位こそ3つ落としましたが、前回よりタイムを1分以上短縮する区間5位で後続に繋げました。

 

その後は8区深津の圧倒的な区間賞などもあって駒澤大は見事優勝を果たします。

 

宇賀地はそんな強豪校のエースという位置づけではありましたが、竹澤や松岡、木原(中央学院大)といった他校のエースと比べるとどこか弱さを感じる部分もありました。

 

■3年次

宇賀地に強さを感じるようになり始めたのはこの時期からです。

アンカーを任された出雲駅伝こそ、日大のダニエルの猛追に屈して首位を明け渡してしまいますが、全日本では2区4位と好走でチームの三連覇に貢献します。

 

この年、深津や高林だけでなく同期の星も本格化し、駒澤4本柱と言われるようになった駒澤大。間違いなく大学駅伝界最強のチームでした。

 

しかし、その一角である深津の故障により最強のチームに綻びが生まれます。

 

箱根駅伝では1区からまさかの出遅れ。2区の宇賀地は11人抜きの快走で巻き返しますが、その後も区間下位に沈む選手が続出。優勝はおろか、シード権すら逃してしまうまさかの結末となりました。

 

■4年次

黄金時代を築くどころかチームの立て直しから始めることになってしまった4年次。ただその中でも駅伝主将を担った宇賀地は本当の強さを身に着けていきました。

 

箱根予選1週間前に強行出場した出雲駅伝では大学で初めての区間賞を獲得すると、箱根予選でも個人9位と好走。さらにその2週間後の全日本大学駅伝でも2区区間賞で首位奪取とワンランク上の走りを連発します。

 

そして迎えた最後の箱根駅伝。今度は四本柱の一角である星が欠場し、前年の嫌な記憶が蘇ります。

 

案の定、星の代役で1区を務めた後藤田が18位と出遅れる展開。

それでも宇賀地は区間3位の快走で5人を抜くとその後の選手も攻め続け、終わってみれば総合2位。強い駒澤大の復活を印象付けました

 

 

〇社会人時代

駒澤大卒業後は21世紀の駅伝王者ことコニカミノルタに入社します。1年目からエースとして君臨し、2013年、2014年にはニューイヤー駅伝優勝に大きく貢献します。

 

トラックでも10000m日本歴代4位のタイムを叩き出しており、世界選手権でも戦っています。

しかし、マラソンでは最後まで好結果が残せず、駅伝でも次第に日本トップレベルの力は陰りを見せるように。

 

それでもひた向きに走る姿はチームに大きな影響を与えており、コニカミノルタ関係者からは「宇賀地はうちの魂」と評されたこともあります。

 

そんな宇賀地が先日、選手生活に一区切りをつけ、コニカミノルタのプレーイングマネジャーに就任することが発表されました。

 

今後は自分のような強い選手を育ててくれるはず。ファンとしては寂しい気持ちが抑えきれませんが、そんな宇賀地の新しい戦いを応援したいです。

 

 

〇最後に

宇賀地は大学時代、三大駅伝にフル出場しており、しかも全てエース区間を走っています。でも、だからエースにふさわしいと評するわけではありません。

 

宇賀地の走りには魂がこもっています。

 

特に駒澤大時代の上級生になった頃から、チームを背負う気持ちが溢れんばかりに走る姿から伝わってきました。今まで見てきた選手の中でいちばんです。

 

だからこそ、宇賀地は“エース”の象徴なのです。

 

彼のような選手がまた現れることを楽しみにしています。

 

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