こんにちは。今回はシリーズ「そんなに細かすぎない箱根駅伝ガイド~各区間紹介編~」です。

今回は箱根駅伝の5区と6区についてコースの特徴や見どころを紹介したいと思います。両区間とも箱根駅伝の最大の特徴ともいえる区間です。

 

 

~5区~

 

・コース

 小田原中継所→箱根 芦ノ湖

・距離

 20.8km

 

往路の最終区間にして標高差864mを駆け上がるユニーク極まりない区間です。選手の適性に負うところが大きいため他区間よりタイム差が付きやすいことに加え、以前は23.4kmと最長区間でもあったことから5区で区間賞を獲得した選手がいるチームがほぼ往路優勝を果たすという偏った状況になり、距離が短縮された経緯があります。それでもなお、2区に次いで大きな順位変動が起こりやすい重要区間と言うことができるでしょう。

 

一生懸命終盤まで上りに上った後、最後に下りが待ち受けていることからここで力尽きて大失速する選手や場合によっては途中棄権となってしまう選手も現れます。そんな緊張感あふれる5区を走ることが多い選手は以下のとおりです。

 

 

①山の経験者

経験値と適性がモノを言う区間なので基本的には前年5区を走った選手が続投するパターンが多いです。好走を重ねるといつしか「山のスペシャリスト」と言われるようになります。

 

②前年8区を走った選手

8区はつなぎ区間でありながら後半に遊行寺の坂という険しい上り坂が待ち受けていることから、5区の養成区間としての一面を持っています。8区を走った選手が1年間かけて力をつけて5区に挑むということはよくあることです。安井(早稲田大)、細谷(中央学院大)といった区間上位が期待される選手も下級生時代に8区を経験しています。

 

③エース

どうしても山上りに相応しい走力と適性のある選手が見つからなかったチームはここにエースを置いて走力で箱根の山をねじ伏せにいきます。過去には伊達(東海大)や村山謙(駒澤大)、設楽啓(東洋大)といった華の2区経験者が5区に挑戦しましたが、なかなか本来の力を発揮できないケースが多いように感じます。

 

5区の見どころは「山の神のスリル」です。数年に一度、ものすごく箱根5区に適性を持った選手が現れます。山を上り始めたらすぐに彼らが神であることがわかります。彼らは本当に軽やかに山を駆け抜けます。そういう選手がいるチームはほぼ間違いなく往路優勝を果たします。そしてスターになります。5区を走る選手にはそれだけの夢と可能性があります。ぜひ、彼らの挑戦を見届けていただきたいです。

 

 

 

~6区~

 

・コース

 箱根 芦ノ湖→小田原中継所

・距離

 20.8km

 

復路のスタート区間となる6区、かなり癖の強い区間です。

 

まずスタートに癖があります。時差スタートといってまず往路優勝を果たしたチームが8時にスタートします。その後、往路終了時のタイム差に従って各チームが順番にスタートしていきます。往路終了時に先頭から10分以上の差がついてしまったチームは8時10分に一斉にスタートします。5区に“山の神”が現れる年は一斉スタートになるチームも多く、10チーム以上が同時に走り出すこともあります。ちなみに6区は決してコース幅が広くないので一斉スタート組は非常に走りづらいです。

 

また、6区はコースにも癖があります。5区の裏返し区間ということでものすごく下ります。ここまで下り坂を走り続けるロードレースは世界を見渡しても他に類を見ないのではないでしょうか。

 

6区は復路のスタート区間として流れのうえでも重要な区間です。拓殖大や上武大は6区を苦手としており、往路をいい位置で終えても6区で大きく遅れて上手く復路の流れを作れずにシード権を逃すケースが頻発しています。

 

反対に6区を伝統的に得意としているのが中央大です。中央大は毎年区間3位以内で走る山下りのスペシャリストを用意してきます。ここでいい流れを作れることで実力以上の順位を狙うことができています。

 

 

6区に起用されることの多い選手は以下のとおりです。

 

①6区経験者

5区と同じく適性と経験値がモノを言う区間なので前年6区を走った選手が続投するパターンが多いです。過去には廣瀬(明治大)のように1年次は区間下位に沈みながらも経験を積み重ねて最後は区間賞を獲得したケースもありました。

 

②ロードでの実績少ない系スピードランナー

1500mや5000mで強さを見せる選手のうち、ロードでも実績を積み重ねている選手は1区や3区に起用されますが、そうでない選手はこの6区でスピードを活かすことを狙うケースが多いです。前回で言うと小野田(青山学院大)や堀(東洋大)はこのパターンでの登場と言えるでしょう。

 

6区の見どころは「最後の3km」です。6区はコースの大半が下り坂でスピードに乗って走る区間ですが、最後の3kmは平地が待ち受けています。この3kmは下りで脚を酷使してきた選手には非常に厳しくつらい距離となります。ここでどれだけ粘れるかで1分近くタイムが変わります。ほとんどの選手はもがきながら1秒を削り出す魂の走りを魅せてくれます。ぜひラスト3kmにも注目して6区を見てみてください。

 

 

今回はここまでにします。いかがだったでしょうか。次回は7区と8区のコースの特徴や見どころを紹介します。

比較的地味めな復路のつなぎ区間ですが

魅力が伝わるように熱い気持ちを込めて記事を書きます

のでまた読んでください!

 

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