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今回は、エックス線作業主任者試験の解説で『骨組織の放射線感受性』についてです。
それに関する問題では、次のような選択肢が出題されます。
「骨組織の放射線感受性は成人では低いが、小児では高い。」
この選択肢は、正しい記述です。
この記述は、成人と小児の放射線感受性について問うものです。
まず、骨組織について見ていきましょう。
骨組織とは、体の構造を支持している骨や軟骨のことを言います。
骨の成長は、男性では18歳~21歳、女性では16歳~18歳で止まります。
つまり、小児期(子供の頃)では、骨は太く長く成長しますが、成人してしまうと成長が止まるのです。
続いて、放射線感受性について見ていきましょう。
放射線感受性は、エックス線などの放射線による影響の受けやすさを表しています。
つまり、組織の放射線感受性が高ければ、エックス線による影響を受けやすいため、放射線障害が発生しやすいことになります。
逆に、組織の放射線感受性が低ければ、エックス線による影響を受けにくいため、放射線障害が発生しにくいのです。
では、放射線感受性は、どのようにして決まるのでしょうか?
組織の放射線感受性は、ほとんどの場合、ある法則に従います。
その法則が、『ベルゴニー・トリボンドーの法則』です。
この法則の一つに、『形態及び機能において未分化のものほど、放射線感受性が高い』という法則があります。
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
(これメッチャ重要です!)
つまり、分化してしまった組織より、これから分化する組織の方が、放射線感受性は高くなるということです。
なお、分化とは、細胞分裂を起こして成長することをいいます。
成人の骨は、成長が止まっていますので、すでに分化しているといえます。
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
(これメッチャ重要です!)
一方、小児の骨はこれから成長していきますので、未分化な状態といえます。
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
(これメッチャ重要です!)
つまり、骨などの骨組織の放射線感受性は、成人よりも小児の方が高くなります。
ここで、今回の選択肢に戻りましょう。
すると、「骨組織の放射線感受性は成人では低いが、小児では高い。」という選択肢は、正しいことがわかります。
成人と小児の放射線感受性の違いを、しっかりと理解しておきましょう。
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●【目次】[X線]エックス線の管理
●【目次】[X線]関係法令
●【目次】[X線]エックス線の測定
●【目次】[X線]エックス線の生体
※本ブログでは、わかりやすいように比喩的表現を、使用することがあります。それらは、実際の事象を、完全に表現したものではありませんので、ご了承下さい。