6文字の言葉の意味、山荷葉サイン会 | A-side

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Always aside you

お久しぶりです。
とてもとても、時間が空いてしまいました。

台湾のことも、和音のことも、ジョンソロコンサートのことさえブログに書けておらずにいます。どれも本当に、貴重な体験だったし、特にソロコンは特筆すべきだと思うのですが。なかなかゆっくりとブログを書くまでの時間が取れない日がつづいていて。


そんな中、突然ですが。
昨日、ジョンのサイン会に行ってきました。
彼が初めて出した本のサイン会です。

私事ですが、急に法人内での異動が決まって、来年1月からまた新しい病院で働くことになりました。
仕事への不安はもちろん、一旦はチケットが取れた来年のSWも本当に行けるのかどうか。色んな漠然とした不安が続く中、12月のジョンソロのアンコンも仕事のことが主な理由で諦めました。


そんな中、先週、
突然に、週末のサイン会の予定が発表になりました。

行ける、かもしれない。この日程なら。
いや今行かないと、来年異動になったらもう行けないかもしれない。

25日の夜に開催が発表され、締め切りまで2日しか猶予がない中、

当たったら航空券を取って行こう。
当たらなかったらその時はキッパリと諦めよう。

そう思って、27日の朝にバタバタと申し込みをし、
その日の夜には、結果が発表になりました。

「saraさん、サイン会当選してますよね?!」

当選発表を見たフォロワさんからそう教えてもらって、当選を知りました。
病院の、接待パーティーの最中でした。

(まじでか!!!?)

もう、接待どころではありませんでした。
すぐに航空券を取らないと間に合わない。翌日ですから。

溜まっていた仕事のストレスもあり、ワインを数杯、カクテルを数杯、もはやヤケ酒状態で流し込んだ状態で、わりとフラフラになっていましたが、なんとか無事に日付が変わる前には航空券と宿を手配し。

翌朝には、ソウルに向かいました。

実感なんて、あったもんでは有りませんでした。

まさか本当に当選するなんて思ってもいなくて、そんなことならあんなヤケ酒なんてしなかったのに。(いや、マジで


今回のサイン会は、ソウル市内の某書店で行われました。



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今回、仲の良いフォロワさんと同じ日に当選していたので、同行させてもらったのですが。
書店に着いたは良いものの、

「会場ってどこなの?」

と、わりと探しました。
案内には、書店内のイベントスペースって書いてありましたから。

そしたら。
店内の隅っこ、地下1階と2階を繋ぐ階段前の狭いスペースに会場と思われる場所が細々と設営し始められてるではないですか。

こ、こんなとこでするんだね…
と苦笑い。



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この階段に、当選者の皆が座るんですよ。

階段に整理番号が貼られ、私たちはそこに座って、階下にいるジョンを見降ろすという。

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…なかなかシュールな。


まぁそんな、手作り感満載なところも、何だか作家キムジョンヒョン先生らしくて良いなとは思いましたけどね(褒めています


5時半前に、緊張しながら会場入りしました。

と言っても階段に登って座るだけですが。笑

それまでは、友達と話していたのでわりとマシだったんですが、1人になると緊張が増しますよね。

緊張をほぐすために別の友達とLINEなんかしたりしていると。
キャアアァって声がするから顔を上げたら、目の前にジョンが。会場へフラッと入ってくるところでした。

毎度毎度思うんですけど、ほんと何の紹介もなしにスタッフさんみたいなノリでフラーッと入って来られますよね!??ジョンヒョンさんは!!!

そして、フラーッと席に着き、何の前置きもなく始まっていくサイン会。


あぁぁ…ジョンだ…
と、思うのですがしばらく実感は湧かず。


自分の番が近付くと、テーブルのすぐ横に並ばされるのですが、そこでも何故か他人事のようにジョンとファンの方のやりとりを見ている自分がいました。

そして当然のように、前の人の番が終わり。
にっこり笑って「アンニョンハセヨ~」と手を振ってくれるジョン。

(ちょっと待って無理帰りたい)

あんなに大好きなジョンを目の前にして、何故かそんなことが一瞬頭をよぎります。
あれは何とも不思議な感覚です。

それでも意を決して精一杯の笑顔で「アンニョンハセヨ~」とジョンのもとに行くと、あの素敵な笑顔で本をサラッと受け取り、ページを開き、付箋を目にして「サオリ…?」と下の名前を呼ぶ。

…あの一連の流れはもう神業に近いと思うのですが。
こちらに何かを言わせる隙を全く与えないという点においては。

いや、ジョンにあんな笑顔で迎えられたらね、、
それまで頭の中で組み立ててきたプランも全て吹き飛ぶというものです。まじで。

ああ…!と思いながらも、そこは落ち着いて。苗字も書いて欲しいことを述べました。
いや、フルネームでサインして欲しくて付箋にそう書いておいたのに、敢えて下の名前しか呼ばないというのも何ともジョンらしいというか。

そして、ジョンがサラサラとサインをしている間にパニックな頭を整理しようと思ったのですが。

あれっ、ちょっと、何か…

「か、かすれてる…。」

思わずジョンの手に手を伸ばしながらそんなツッコミを入れてしまいました。
いやほんと、ペンのインクがかすれてるとか。
今思えばどーでも良いことなんですけど、そんなことよりもっと別のこと言うべきなんですけど!
いつも歌聞いていますとか大好きですとかそんなことを!

よりによって、かすれてる、って。なんなんでしょう。

と、同時にジョンはサインを書き終わり、あのキラキラした目で私を見てきます。
ドヤッㅎㅅㅎ、って感じです。

そんなドヤッなジョンヒョンさんに、

「メッセージ、ジュセヨ~」

と、にこやかに。
これはイメトレ通りに言うことができました。

今回のサイン会は、ジョンが本の一節から言葉を選んで書いてくれることを聞いていたので。
それも、このサイン会に行きたかった理由のひとつでもあって。

ああ、、ってな感じでジョンは本のページをペラペラとめくります。
そのペラペラめくる指が本当に美しかったことを、今も思い出します。

私は最近になってこの本を部分的に翻訳機にかけながら、自分なりに読み始めたんですけど、その中でも好きな一節がありました。
それを、ジョンに伝えたいというのが今回の目標のひとつでもありました。
目の前でパラパラとページをめくっているジョンを見て。
あ、今伝えなきゃ。
そう思いました。

今思えば、ジョンに好きな言葉を選んでもらったほうが幸せだったのかも知れないとも思うんですが。

「ネガ、チョアハヌンペイジ、ヌン…」

そう言って、私の好きなページをめくって、ジョンに示しました。
その中の、自分が好きな一節を。


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"어떤 감정이든 중화시켜줄 무언가가 있어야 한다는 겁니다.
어떤 방식이든 매일 비슷 하게 하루를 정리하며 마무리하면 마음이 편해요."
---どんな感情であれ、中和させてくれる何かが必要だということです。どんな方法であっても、毎日同じように1日を整理して終えることができれば、気持ちが楽です。


嬉しいこと、悲しいこと、毎日いろんな感情が交錯するけれど、1日の終わりに、毎日同じことすることで、気持ちが整理できますよ。例えばキャンドルを焚くとか。そんなことを。

主人公が、ある人から言われたこんな言葉を、家に帰って反芻する場面でした。

「1日の終わり」をまさに象徴する、この場面が、本当にジョンらしいなと思って。


知らないうちに、毎日気持ちが疲れていた自分を、そこに重ねていたのかもしれませんね。


私が示した2行を、ジョンは指で追って読んでくれました。

「チョウンマリネヨ~(良い言葉ですね)」

私がそう言うと、ジョンは「あ~」と頷いて、またサインのページに戻ってさらさらっとメッセージを書いてくれました。何と書いてくれたかその時は分からなくて、後で席に着いた時に知ることになるのですが。


さぁ、それと後もうひとつ、私はジョンに渡したいものがあって。
前々から買っていたワンちゃんのキーホルダー。


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いつかジョンに渡せたら良いなぁと思っていたんですが、2年くらい渡せずにいました。
今回、プレゼントを買う暇も無かったので、良い機会でした。

そして、

『これ、ルーちゃんみたいだなと思って買ったんです』

ジョンにそう言いたかったのに、全く言葉が出てこない。
いや、「ルー…」くらいは出て来たのですがその後が続かない。

今思えば日本語で話せば良かったのに、何故だかそれが出来なくて、だいぶモゴモゴしていたら、ジョンは笑顔でルーちゃんを受けとり、後ろの係りの人に渡し、そして再びとびきりの笑顔で私にこう言いました。


「また!」


このセリフを私は一生忘れることは無いでしょう…

文字で書くと一見何でもない「また!」ですが、
あの、ジョン独特の「まったね~ㅎㅅㅎ」という感じでもなく。
ちょっと気取った雰囲気で
でも皇太子様みたいな優雅さで。

でも語尾にはしっかり「!」マークをつけて。

「またㅎㅅㅎ!」

…伝わるでしょうか。

それまで韓国語で話していたのに、最後の最後にまさかジョンから日本語が返ってくるとは思わず。
しかもサヨナラ~でも、ありがとごじゃいます~でもなくあんな優雅な「また!」って。

ルーちゃんのことを話す隙もなく、私も思わず「じゃあ、また!」って手を振って帰ってきそうになりましたが、そこは忘れずお馴染みの恋人握りを最後にしてもらいました。
今回のジョンの手は、1月の時よりはだいぶ暖かく感じました。


私の今回のジョンとの時間はこれで終わりました。


席に着いて、ジョンからのメッセージを改めて見ました。


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(ほらね、ちょっと名前のとこ掠れてるでしょ)

"마음이 편해요"

そう書いてありました。

「気楽です」

この言葉が、私がジョンに示したあの一節から取り出した言葉だと、すぐには気付かずに。
気持ちが楽です、と直訳して、これはどういうことかしらとまだ混乱した頭で思っていました。

何だか安心します、と言われるのが自分にとって最高の褒め言葉だといつも思いますから、少しニュアンスが違えど、ジョンにこの言葉を書いてもらえたのは嬉しいことだなぁとも思いました。


サイン会の後、ご飯を食べながら友達と話していて。
最近、しんどかった気持ちとかいろいろ吐き出して、でも、今回ここに来れたことで「だいぶ気持ちが楽になったわ」って、無意識に口に出して言ったんですよ。

その時、ピースが全部当てはまった気がして。

"마음이 편해요"

この言葉を、ジョンがこのタイミングで選んで書いてくれたことが、何だかとても意味のあることな気がして。

さらさん、もっと気楽にね。

そう言われてる気もして。

後から何度も、涙が出てきました。

人は、たった6文字の言葉にも、こんなに癒されるんですね。



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サイン会にいくと、時に罪悪感に苛まれることがあります。
行きたくても行けない人が多い中で、ごめんなさいと思うこともあるし、行ってきましたということを言い出しにくいこともあります。
今回のことも、どうしようかと迷いました。
何も言わずにおこうかとも思いました。

でも私は、自分自身は、他の人のサイン会レポを読むのが結構好きだったりするのです。読みながら一緒に切なくなったりドキドキしたりするのが。
自分が行けなかったイベントのレポを、親しい人が上げてくださるのを読むのも好き。

だから、また、勇気を出して書いてみることにしました。
ほんの少しでも雰囲気が伝わっていると良いのですが…


来年からの自分がどうなるか分からない中、いろんな覚悟を持って応募し、こうやって行かせて頂けたことで、いろんな意味で、背中を押してもらえた気がします。


うん、あまり思いつめないように。
気持ちを楽にね。

明日からもまた、頑張りたいと思います。


ジョン、いつもありがとう。

そして、ここまで読んでくださった優しい方がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございました。

では、「また!ㅎㅅㅎ」

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