『もう一杯いかが?』
こんな言葉もまず使われなくなった
年功や男女による使い分けが日本語だった
美しいと憧れた言葉も風前の灯と云う訳だ
後部座席から聞こえる会話は面白いが
若い世代の言葉使いには違和感を感じる
上下間はまだしも男女間は違いが無くなった
と云うより《女言葉》が消滅したようだ
日本語の性質上全てが平等だと具合が悪い
方言なんてものは更に使いにくくなるだろう
立場の違いに依る微妙な言葉や仕草の違い
風流とはそんな中に見えたような気がする
『あぁ風流だ』なんて言い方も今は無い
多分若者には通用しないであろう
したがって《月見》なる習慣も衰退する
文化が遺産になる時の流れだけが速くなる
が、しかし月見には日本酒が似合う
今夜は日本酒をと今から喉がなるわけで
ツマミは何にしようかとあれこれ考えるが
きっとフライングしてしまう休日の今日だ
『もう一杯どう?』『いいっすね』
風流なる京言葉の真意を無視して呑む
そんな楽しい《ぴんきり兄弟》呑みも
そろそろ解禁したいものだと想う訳だ
