朝出かける頃に妻に呼び止められた
「お水頂戴」キッチンから水を入れたコップを渡し
「行ってきます」と逃げ出すように家を出る
二日酔いの彼女に朝から絡まれたくは無い


昨夜帰ると何ヶ月振りだろうか夕食が出来ている
「温めて食べれて」ろれつの回らない声は寝床から
「ワイン飲んだら駄目ね 頭痛い」妻はワインに弱い
テーブルには半分空いた瓶に無理矢理コルクが詰められている


食卓はほうとう鍋であった じゃがいも水菜キノコ豚肉
そして甲州名物《ほうとう》を味噌仕立てで煮込む
「旨いよこれ」鍋を火に掛け貪るように食べた
「でしょ」やれば確実に私より旨いものを作る


相変わらず休日の酒量は夥しい 350缶ビールが・・・10
そしてワインをボトル半分『こんな暮らしなら死んだ方がマシ』
そんな暮らしをさせているが死に急ぐ事は無いと思うぞ
とにかく久しぶりに妻の手料理をありがたく頂いた


サラリーマンを辞めてから金銭的心配の掛け通しで
呑まずにはやってられないのだろう 一番安い娯楽だ
《すまねぇ》口にこそ出せないがそう思っている
(Oh何度でも夢を見せてやる)UPした曲を呟く


今朝はもう少し天気が良いかと期待していたが曇
娘が「ロッタの餌が無くなったから」500円を取られた
朝食の支度をし珈琲を入れ洗濯は諦めスーツに着替え
「お水頂戴・・・」玄関を出る時《二日酔い》が聞こえた




 
$俺の声2(不動産屋の歌と主夫)