♪君の家の方に流れ星が落ちた

  僕はハミガキやめて電車に飛び乗る

   今頃君は流れ星砕いて

    湯船に浮かべて僕を待ってる♪


by THE BOOM


僕は中央線に乗って新宿駅へ通った

まだオレンジ色の車体に身体をねじ込む

スーツの裾がドアに挟まっていても当時は

そのまま走りだす事が当たり前だった


住んでいたマンションは昭和45年築60㎡

それでも当時相場なら6千万円の値が付いた

ある事情で僕はそこを格安の5万円で借りた

14階建の10階南西角で富士が綺麗に見えた


その部屋に二人は引っ越しその足で区役所へ

挙式までの3カ月は夢のように過ぎて行く

それこそ湯船に夢を浮かべた妻の待つ部屋へ

僕はワクワクしながら乗って帰った中央線



婚約指輪を買えなかった僕は悪戯心で妻に

キュービックジルコニアの立爪リングを加工注文して

店員まで巻き込んで仰々しく渡した仰天した妻

すぐにバレて別々の車両の中央線に乗った


井の頭公園の帰り道楽器屋でギターに見入る

僕が諦め顔で「今あるギターで十分だ」と云うと

妻はさっさと店内へ行きクレジットカードを出した

左手にギターを右手で妻を抱え中央線に乗った


ガード下で呑んでへべれけに酔った妻は

電信柱に吐いたまま倒れ込むように眠った

担ぎあげる様におぶって部屋まで帰った

轟音をあげて僕の愚痴をかき消した中央線


摩天楼の東の街から西の山の夕闇に向かい

オレンジ色の中央線は走る 僕達の街へ

中央線に乗るたびに夢の時間を思い出し

この歌を口ずさむ 《走り出せ 中央線》


いつかあの街にまた住みたいって

昨日妻が言っていた


♪走り出せ 中央線 夜を超え 僕を乗せて♪




俺の声(不動産屋と主夫と歌)


THE BOOM では一番好きな歌

上条恒彦での生歌を聞き更に好きに

今日You-tubeで矢野顕子バージョンを聞いた

これが一番泣けそうだ