♪快復の午後に時間をぶっ潰していたら


   手招きする空で雲が急に光ったんで♪





by 仲井戸(チャボ)麗市





快晴の空はいつの間に曇ったのだろうか


なんの前触れもなく青空は塗りつぶされた


4月にしては冷たい風が首筋を舐めて行き


最後の花びらの散り際の様な悪寒が走る





まだ脱ぎ捨てる事の出来ないコートの襟を立て


首を埋めるように歩いているとその襟越しに


何かが横切ってような気がして立ち止まる


垣根の中に何かが動く ウグイスであろうか





葉のしげる垣根の中は薄暗く うぐいすなのか


雀なのか メジロなのかの判断はつかないが


泣き声でも聞けない物かと暫く立ち止まるが


(鳴かぬなら無視してしまえ時鳥)歩き出す





♪みんなしびれを切らしてる 世界中


   みんなしびれがきれてる♪





その時靴の下で異物を踏んだ油断していた


先日誰かが警戒警報発令していたばかりで


踏む方が不注意と主張したばかりなのに


乾いた異物は苦ではなかったがついてない





周りを見回すと小さいのがポロポロと続いてる


お犬様の飼い主よ やはり始末はしてください


そんな事を呟きながら隅田川河口ヘ出る


川とも海とも運河ともつかない鉛色の風景





対岸の高層マンションがキラリと光る 綺麗だ


雲の切れ間からまるでスポットライトのように光線が


金色に延びているあの光を浴びて見たいものだ


そう思ううちに雲は閉じて行きまた鉛色の風景





あのスポットライトに入り まだ輝いてみたい


まだそんな欲望のある自分に少し驚きながら


もう少し もう少しと 我慢の先延ばしをする


薄暗くなってきた 足元に気おつけて帰ろう





♪快復の午後に時間をぶっ潰してたら


  神様のハイウェイ雲が急に光ったんで


      それで それで それで・・・・♪


《風邪ですか》


俺の声(不動産屋と主夫と歌) border=


そうかもしれない 早く帰ろう