♪おいで皆さん聞いとくれ

    僕は悲しい受験生

  砂をかむよな味気ない

     僕の話を気とくれ♪


by 高石 友也


本日朝一番で賃貸物件ご案内

お客様は受験生とその両親

受験の間両親と共にホテル住まい

余裕のあるご家庭だ事(皮肉)


「賄い付きの下宿はありませんか」

お会いして最初の質問である

さすがにそんな物はない いや有るらしいが

我々業者には出回らない「今は無いですね」


「宅の子は大人しくて外食も一人では・・・」

確かに青白く覇気の無い息子様

ていうかそんな奴は都会で生きていけない

頼む傍らで黙って爪を噛むのはやめてくれ


「こんな狭くては生活できないな」ご主人が言う

24㎡だ都内単身者用では大きめのサイズ

「都内はこんなものですよ 皆さま工夫して・・」

「家の玄関より狭いな」そうですか・・・ご立派で


キッチンが小さい風呂が狭い 当たり前だ

(もう借りなくていいからやめましょうよ)

のど元まで出ている言葉をのみ込み

無益な時間が過ぎて行くことに耐える


「お父さんおしっこ」(うわっ 子供かお前は)

「トイレはここか」「すいませんクリーニング済みで

トイレのご使用はご遠慮願います」

「また洗えばいいじゃないか」「いえ困ります」


もう書くのも嫌な位くだらない押し問答

追い返すように退室願いホッとして帰る

どんな大学に行くかは知らないが

彼の将来はとてつもなく暗い気がした


♪母ちゃんも俺を激励する

    一流の大学入らねば

  わたしゃ近所の皆様に

   合わせる顔が無いのよ♪


《爪は噛む為じゃ無く磨ぎなさい》
俺の声(不動産屋と主夫と歌)

毎年豪快な新入生に会う事が減ってる

部屋探しでも自分の意見を言わない子供

(お前の部屋だぞ)と思う