♪知らない街を歩いてみたい
何処か遠くへ 行きたい♪
by ジェリー藤尾
二月も後半を迎え陽射しが春めいて来た
寒かった私の懐も春を迎えてくれれば良いと
少々疲れ気味の体に鞭打って
事務所へと向かう 土曜日の電車は楽だ
昨夜何故か鉄棒をした 逆上がりをしてみた
22時過ぎの児童公園で薄暗い地球が一回転
軽い目眩がする 何処からともなく光りに乗って
私の好奇心を煽る言葉に笑った
その為か今朝肩甲骨の辺りの筋肉が張る
逆上がり一回転でと思うのだが現実だ
情けない思いで体の衰えと云う現実を知る
温泉に行きたいと思った
湯煙の立ち上る中 生まれたままの
無防備な姿でまず香を吸い込む
出来れば人間の体臭の無い無垢の湯香
マイナスイオンを胸一杯に吸い込む
肺の中で疲れた溜息を優しく撹拌してくれる
掛け流しの源泉が湧き出る音が聞こえる
聴覚はその音だけに包まれ体内を呼び覚ます
軽く波立ち湯気を上げる大自然の中に
爪先から沈める 肌との温度差を感じて
急激に開いていく毛細血管に顔が歪む
それを通り越せば腰を下ろすだけだ 緩む
ゆっくりと ゆっくりと 止めた息を吐きながら
全身が別世界に浸かって行く 温かく包まれる
吐き切った肺に真新しい空気を注ぎ込む
静寂と云う音の中に全ての神経が埋没し
瞼さえ開く事を拒絶し体から力が抜ける
体中を血流が走るのがわかる 鼓動がわかる
生きていることと生きて行くことが混ざりあう
ああ 遠くの温泉に行きたい 現実は行けない
せめて雰囲気を味わいに今日帰ったら
【梅の湯】へでも行こう 360円で
肩甲骨周りだけでも 温めてやろう
♪遠い街 遠い海
夢はるか 一人旅♪
《温泉大好き家族だね》
小学生?のころ この歌で始まる番組を
せんべいをかじる父と良く見ていた気がする
土曜日の朝だったような記憶が
なんて暗いテーマソングと思いながらも
旅情 を知る良い番組だったと記憶している