♪一人で飛び出した奴らが鼾をかく間に
夜は大きくて肌寒い風が吹いた
暗闇に迫られて逃げ出した僕は
仲間の待ってる秘密の隠れ家へ♪
by STANCE PUNKUS
昨夜22:30 私は車を転がしていた
車内は《真夜中少年突撃団》が流れてる
目的地四谷三丁目 俗に言う荒木町エリア
過日からの予定通り酔い潰れるであろう妻を
ピックアップする事が主たる目的だが
妻が行っている店に挨拶しようと思い出かける
その店は大門通りにある 昔ながらの飲食街
今もチェーン店など少なく昭和の飲み屋街を
維持している都心でも数少ない大人の遊び場
《平松》という店はそこに20年腰を据えている
20年前丁度平成バブルの盛りだ
その頃の妻の隠れ家的店が《平松》で
暫くは私も店の存在すら知らなかった
元々四谷荒木町界隈など敷居が高く
田舎者で歌舞伎町からゴールデン街を
テリトリーにする私には縁遠いところだ
その《平松》から はがきが月初に届いた
「断腸の思いで本年28日を千秋楽とします」
三十数年夜の街を生き抜いたママの人柄
丁寧な文面だ 昭和の女の香りがする
私は夜の街をぶらつくのが好きだった
店に入るでもなくネオンの下をうろうろと
歌舞伎町の立ちんぼのオカマやキャッチ
皆顔見知りになる程うろついていた
あの高揚感は何だったんだろう
猥雑さへの憧れか何かの期待感か
私の隠れ家はゴールデン街にある《ジョージ》
フィリピン人のオカマが経営するバーだった
《平松》はあえて分類すればbarで在る
ただそのセンスと高級感は英語標記が似合う
バブル時の接待帰りの企業戦士の休息所
そんな感じの落ち着いた店だ
今では常連客も大手企業の役員だったり
リタイアして悠々自適だったりで静かなもんだ
紳士淑女の社交場の中 若かりし妻は
可愛がられ役の客だったようだ
私も近年になり何度か訪れた
和服姿のママはやはり所作の美しい人だった
グラスの置き方 水割りの作り方全て
ママを含めた店に 一目惚れしたものだ
懐かしい店の灯が消えるのは寂しい
移動はあったにせよ30年も名前を守った
経営者であるママは尚更の事だろう
この店で何人が出世を祝い結婚を祝い
挫折を慰め東京を離れて行ったのか
その一人一人の表情をきっと覚えているママに
敬意を表しに来たのだ
千秋楽御礼のはがきが出回り店内混雑の様子
店のドアは開けずに妻からの電話を待つことに
荒木町の裏路地まですべて歩いてみた
個性的な店が並び飽きる事は無い
突撃!
なんだかワクワクしてきた 昭和の香る街
まだまだ夜は楽しませてくれくれそうだ
冷たい風が首筋を切り裂くがそれはいい
少年のように 夜の街を楽しめる自分がいた
やっとこの街が近く思える歳になったのか
ただ久しぶりで血が騒ぐのかただ楽しいのだ
金があれば寄りたい店
車でなければ呑みたい店
なんだか急に荒木町ファンになった
そんな事を思っているうち電話が鳴る
《平松》のドアを開けて「白タク来ましたー」
おどけて入る ママの笑顔が眩しい
「スイマセン こいつ(妻)もきっと今夜が
酔い潰れるの最後でしょう 長い事
ありがとうございました お疲れさまでした」
客の引けた店内 いい店だ
酔い潰れた妻は車に乗るとすぐに寝た
真夜中少年突撃団 しみじみと聞いてみた
♪僕の夢に突撃するよ
君の胸に突撃するよ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真夜中少年突撃団♪
S君から送られたランダムCD(SION俺の声参照)
その中に入っていたこの曲 聞いた時思った
どこかで聞いた事がある TVか有線か?
しみじみ聞いてみると元気をくれる曲だ
歌うバンドも全く知らない でも気に行った
若い奴らの歌もいいですな
