昨日はやはり通夜ご遠慮しました

葬儀も行かないと思います

故人とは大した付き合いはないのです

1年ほど前に再開しただけで

暗い話は今日までにしますが

彼の記憶がわりに書いておきます


彼の名は イル チョルミン 

日本名 中山 晴人 在日2世です

彼と出会ったのは たぶん小学一年前後

カブトムシのとれる森の中 

私の実家の町内会の子供たち

当時小5を頭に 私まで4人で 

その中の一人が やはり在日の子供だった 

在日とか言う言葉も知らなかった

ただ単純に違う小学校に行ったと思ってた

森で出会ったのが 在日中心のグループ

歳は近いし たぶん近所(町内では無い)

我々の一人がクラスメイトだから

いろいろ話した もちろん虫取り情報

その後 よく森で会い情報交換し

普通の小学生同士として遊んだ

その中に 彼はいたのだ 

普通に仲のよい虫取り仲間として・・・


中学生になると 当然虫取りにも行かず

やってきたのは《パッチギ》の世界

私は部活にのめり込んでいたので

あまり出番はなかったけれど 

「○○狩り」などというおぞましい言葉が

同級生の中でも飛び交うようになる


高校1年の夏祭り 事件はおきました

夏祭りの終わるころ 市内裏道で起きた喧嘩

まさに≪パッチギ≫なのである

2.3人の喧嘩が乱闘になるまでの経緯を

私は知らない 今なら携帯ですぐ情報が飛ぶ

あのころは パシリ みたいなやつが情報を

足で運んでいた 今考えると大変な役回りだ

私が呼ばれたころは 乱闘終盤 

訳わからないまま参戦 何人か蹴飛ばしばし

パトカーのサイレンに振り向いたところ

左腹をナイフで切られた 傷は浅いけど

そいつが振り向いた (イル・・・)

奴は記憶にないのか 頭に血が昇ってるのか

まだ向かってくる 警官も向かってくる

友人が バイクで「コバ 行くぞ!」

カワサキのKH 金属音のけたたましいバイクに

飛び乗る 切られた傷が痛みだす


この乱闘騒ぎは負傷者が結構いたらしく

後日私も 警察に聴取され 家庭裁判所にて

何とかという処分を受けた お陰で停学

でも 在日 とのいざこざを考える時間にできた

結論は (まぁ俺には関係ないな) だったけど


それから30年近く 彼と接点はない

昨年 お得意様法人の社宅探し

いつもの担当者が 「今回は歳食ってるし東京

始めてだから職場近くで古くていいから」 

案内の時 あらわれたのが(イル・チョンヨル)

彼は私など思い出しもせず 愛想笑いしてたけど

私にはすぐに思い出せた 彼の眼は綺麗だから


賃貸の申込書に名前と現住所を記入する

中山晴人 茨城県●●市・・・・日本名あったんだ

「イルちゃん」確信して小声で呼んだ

顔をあげて驚く彼が記憶を探る

「よくカブトムシがとれたよな あのころは

ミヤマクワガタの木 もう無いらしいじゃん」

この話題で彼は私を思い出した様だが

とても複雑な顔をしていた 

私はあの 乱闘 がそうさせていると思ってた

その夜 担当者を交えて3人で飲んだ

「すごい偶然ですね同郷だなんて幼馴染ですか」

当たり障りのない話題で酔い カブトムシの話題で

そう どんだけ多くのカブとやクワガタを取ったか

久しぶりに小学生の頃を肴にしこたま飲んだ

当然それっきり会ってもいない


先月 担当者氏から 「中山やめたんですよ」

とは 聞いていた 少しだけ彼の過去も聞いた

べつによくあることと 気にも留めず忘れた

昨日の朝までは・・・・

「中山さん 自殺したらしいです 今日通夜で

・・・・私も行かなきゃならないのですがご一緒

しませんか」と 担当者氏

「悪い 行けないや そんな付き合いでもないし」

「私もそうなんですけどねぇ 彼無断でやめたから

社宅部屋に荷物あって、うちで預かってまして・・・

一緒に行ってもらえませんか」 「悪い パス」


彼はどんな人生を歩み 自らを断ったのか

少ない情報と 小学生の頃の想い出と

つなぎ合わせるように考えさせられた

左腹には確かに彼に切られた傷がある

呑んだ時 その謝罪を求めるべきだった

もっと深い話題で話していたら 聞いてやれたら・・

いやいや 結果は変わらなかったかもしれない


重い気分の 土日にしてくれたもんだ


♪カブトムシ 壊れた 

   一緒に楽しく遊んでいたのに

  幸せに 糸付け

    引きずり回していて 壊れた♪

by陽水


この詩って やっぱり深いなぁ・・・・