~一年前(千春side)~
翔。
私…怖くて、怖くて…。
明日なのか、
それより先なのか、
わからないけど。
翔と離れたくない。
私だけ先に逝くなんてイヤだよ。
翔と一緒に居ないとき、
最近こんなことばかり考えてしまうんだ。
こんなこと考えたくない!
そうやって、
気持ちを切り替えようとしても、
頭に激痛が襲うから、
どうしても考えてしまうんだ。
医者が言うにはね、
脳の機能が低下しているって。
だから、忘れっぽくなっちゃったの。
翔が収録をしているときも、
前なら絶対に電話しなかったのに。
今は、めちゃめちゃ電話をかけてしまっているんだ。
翔は、笑っていつも言ってくれるよね。
そんな忘れっぽくても、
超かわいい…って。
正直に翔に伝えた方がいいのかな…?
私は、一年後にはもう天国にいるだろうって。
翔は、きっと泣いて泣いて、心配してくれるんだと思う。
私は、そういう翔をみたくないんだ。
最期の時まで、
翔の笑顔が見たいんだ。
そのうちさ、
翔のことも忘れちゃうと思う。
辛い、やっぱり辛い。
私は、この世に証を遺しておきたい。
だから、今から翔に電話するから。
そうして、
1話のプロポーズの場面にうつる。
やっぱり、翔は、プロポーズを受けてくれなかった。
そうだよね。
仕事も順調だし、
私とのスクープなんて、
今はよくないよね。
仕事が落ち着いたら、
プロポーズ考えてくれるかな?
私は、そのときも翔の隣にいる?
あ…
また目眩が…
千華「…千春、ただいま。具合平気ぃ?…ちっ千春!?」
千春「千…華…私が死んでも…死んでも…」
千華「…千春」
千春「翔には…何も…言わないで…お願い…」
千華「わかった、わかったから!!」
千春「…翔…翔…」
千華「救急車呼ばないと!」
千春「や、め、て…千華、この手紙を新山千春に渡して、明日会う約束してたから」
千華「何これ、この前書いていた、翔くんへのラブレターじゃない!千春が自分で渡さないとダメだよ!」
千春「…翔…だい…す…き」
私は、静かに目を閉じた。