「スニーカー同じですね。」
僕は、そう声を掛けたと言う。
かれこれ20年以上も前の話しだ。
そのお客さんは最初にお店にきた時のことを覚えていてくれた。
2003年、僕は富士のパピーの2階で店を始めた。
FOXではなくルナール(renard)という店の名で、僕は店に立っていた。
その翌年の正月、初めての福袋を販売した。
その時、予約は取っていたのか定かでないが、思いのほか好評で初売り当日に完売した。
それから20年経った今でも、スニーカーのお客さんは福袋を買い続けてくれている。
最初の福袋がよかったから、お母さんや妹さんにも勧めてくれて、一度に3つの福袋を予約するのが定番となった。
それからだいぶ時間が経って、息子さんや妹さんのお嬢さんたちの福袋も予約してくれるようになった。
ここ数年は毎年5つの福袋を予約してくれている。
僕の記憶が確かなら、今年20回目の福袋だということを福袋説明書を書く時に気づいた。
20年かぁ…しばらく感慨に耽って、やはりあの時の言葉を思い出す。
コンバースのオールスター、ブラック。
自分は当時それしか履いていなかった。
それが正解だったと。20年前の自分に言ってやりたい。
お客さんはじめ、ご家族の皆さんには本当に感謝してます。
言葉で言い表せない感謝の気持ちでいっぱいになった。
2024年3月1日
インスタを開けると、お客さんと卒業証書を持った息子さんが飛び込んできた。
すかさず、おめでとうございます!とメッセージを送った。
18年。
一言で言ってしまえば、18年も20年もほんの一瞬の言葉に過ぎませんが、
赤ちゃんだった子が、立派な青年になって、旅立ちの日を迎えた年つきを、
18年間、お子さんの成長を見てこれた喜びと、
20年以上店に通い続けて頂いている感謝を、
心から申し上げます。
2003年3月1日。あの日はどうしようもないくらいの雨だったけど、店を始めて本当によかったです。
卒業おめでとうございます。
皆さん、これからもよろしくお願いします。
ではでは。