朝、お店から外に出てみると、
おめでとうございます!
と、通りの向こうから元気な声が聞こえた。
顔を上げて見ていると、保育園園児を乗せたカート部隊の保育士さんがニコニコしながら、会釈してくれた。
そんな50年目のはじまり。
こんな素敵なはじまりを微塵も思っていなかったので、とても嬉しくなった。
保育園の人たちはよくお散歩しているのを見かけるが、話しをしたことはない。
どなたか存じあげない方が、わざわざ声をかけてくれるなんて。つい言いたくなるようなポスターを書いてくれた松本先生に感謝しなきゃ。そう思った。
感謝SALEの初日。50年目の第一歩はやっぱり記念すべき日だったと思う。
来てくれたお客さんの中に、FOXのはじめの頃よく来てくれていたお客さんがいた。
そのお客さんは2年ぶりに来店。サナエさんに会うのは4〜5年ぶりだった。
当時の話しをしながら、サナエさんのことを憧れだったと嬉しさのあまり涙を流して再会を喜んでくれた。
お給料が出ると、買い物に行くのが楽しみで、弟さんを連れて来たり、旦那さんも連れて来るようになった。
新婚旅行の服をFOXで揃えたと言って、その時の写真を見せてくれた。
当時、お客さんにとってどれだけFOXが輝いていたのか充分に話してくれた。
胸が熱くなる。
長い年月が経っても色褪せない思い出があることはとても素敵なことだと思った。
そのお客さんだけではなく、いろいろなお客さんとFOXの思い出を話した。
感謝SALE初日。
予想していた慌ただしさと違い。
ゆったりと温かい空気が流れていた。
朝イチ会ったサナエさんは、今日から新装オープンするみたいだよ。
当時のドキドキを思い出していたのかもしれない。
明日は誰に会えるのだろう。
朝、起きれますように。
僕はただそれだけを願う。


