納品に来ていてたアンジェリーナジョリーと、別件で来たスカーレットヨハンソンがたまたま店で遭遇した。
作家同士が合うと必然的に話しが盛り上がる。
つい最近もこんなことがあったな。
納品に来ていたデニーロと、たまたま来たヘップバーンが熱心に話し込んでいた。
委託してる者同士でも、そうそう顔を合わせることがない。
接点はFOXでハンドメイドの委託をしているということだけ。
だが、みんなはそれぞれにSNSで情報を得て、それとなく人柄を透かし見ている。
盛り上がるのも必然である。
2人があんまり仲良く話しているので、
「アンジー、やけにご機嫌だな。何度か会っているのかい?」
2人は顔を見合わせて、
「イベントで一回だけよ。でも、DMしてるの。この子しっかりしてるのよ。よくやってくれてるわ。」
すると、スカーレットは間髪入れずにこう言った。
「私、フッ軽なんで!」
ふっかる?ああ、フットワークが軽いってことだな。一瞬なんのことかと思ったが、すぐ理解した。
確かにスカーレットはよくやってくれてる。新参者だが、話しを聞くととてもアクティブでクレバーだ。
FOXハンドメイドの風向きが変わった。
緩やかだが、暖かく気持ちのいい風が僕らを煽る。
ロバートのおかげだな。
彼もフッ軽だしな。
小気味いいリズムが僕らに情熱を灯す。
みんなよくやってくれてる。
まだまだ話しが付きない2人と離れたところで娘のナタリーポートマンがぼっちでいるのが気になった。
「やぁ、ナタリー、仕事は順調かい?」
僕はナタリーと談笑を楽しむことにした。