短期集中連載 千葉のサブ | 復活!?熱尻 石坂鉄平のパイルダーON!

復活!?熱尻 石坂鉄平のパイルダーON!

元プロレス団体KAIENTAI-DOJO、現(株)ふたば所属の石坂 鉄平が綴る、日々の日常と非日常の体験記。

2/5に自らのプロデュース興行で現役を引退する稲松三郎。

KAIENTAI DOJOの5期生として、プロレス界の門を叩く。



三郎とは、未だに飲み仲間な鉄平です。


千葉に行けば、ほぼ毎回飲みに連れ出し、高松に巡業で来たら試合終わりに高松の旨いもんを食べに連れていく。


こんな関係が、ここ数年の鉄平と三郎の関係です。


三郎と言えば、数々のエピソードを練習生の時に作り上げた男。


飲み行く度に、必ず話し出す鉄平との鉄板エピソードがある。




あるBlue Fieldでの昼夜興行の日。

昼夜興行と言えば『ちゃんこ成金』と言われた鉄平にとっては、正に稼ぎ時。



その日も、集合時間の4時間前よりちゃんこの仕込みを開始。昼夜興行の日は、通常興行の倍の『ちゃんこ』の仕込みの為、時間も相当かかる。




そもそも『ちゃんこ』事態に味付けをしてしまうと、煮込んだ野菜などの具材が溶けてしまい量が減って、結果として、できる限り多くのお客さんに食べてもらいたいのに、完売してしまう。


また、売れ残った『ちゃんこ』は、選手や練習生のご馳走となり、それがみんなの笑顔や体になるわけで、いつも完売しないように心がけて作っていたのだが、、、。



その日もウォーミングアップ前に、昼興行の仕込みを終え、夜興行用の『ちゃんこ』の具材を煮込んだ状態まで仕込みを終えていた。



当時の鉄平は、鈴木軍で言うところのTAKAみちのく代表の役割をユニット内で担っていた為、6試合の興行だと平均で3試合にセコンドや試合などで絡んでいて出番も多く、『ちゃんこ売り』は練習生達にお願いしていた。

また、少しながら売上に応じて、練習生達にお小遣いを出したりもしていた。



そして、その日の『ちゃんこ売り』は三郎。



ウォーミングアップ前に昼興行用の『ちゃんこ』は、下のキッチンに置いてあることを告げ、昼興行に、、、。



その日は、ビックショーだった為に『ちゃんこ』もガンガン売れに売れていた。



そして、昼興行が終わり、夜興行開場までの一時間で次の『ちゃんこ』の味付けをして、再びウォーミングアップをしようと、2階のキッチンへ。




そこで事件が発覚する。




味付けをするための『ちゃんこ』がない!
どこを探してもない。


石川はじめ(注:三郎と同期)に確認するも、自分は触っていない。とのこと。

仕方なく三郎を探し出し確認をすると


三郎『あ~、上のキッチンの『ちゃんこ』を持っていって売りましたよ~。』


しれっとした顔で言って退ける。


鉄平『どぉ~~~~してくれるんだよ~。お前、下のキッチンから持っていって、言うただろぉ~!!』



そうなんです。


この三郎と言う男は、指示を聞き間違えたのか、わざとなのか、聞いていなかったのか、とにかく、味付けをしていない『ちゃんこ』を売り捌いてしまったのだ。



この時、文字通り頭を抱えて泣きそうになりながらも、直ぐ様TAKAみちのく代表に事の顛末を報告。


結局、夜興行では無料で『ちゃんこ』を配る事に。


もちろん、三郎と鉄平2人で『ちゃんこ』を配りながらお客さんには謝罪。





これが、Blue Field15年間の歴史の中で1度だけ起きた『稲松三郎ちゃんこ謝罪事件』であった。





しかしながら、現在は酔っ払った三郎が、


三郎『いやぁあの時の石坂さんの顔が、忘れられないんッスよ~。この世の終わりみたいな顔で、頭を抱えて~ケケケケケケケケケェェェェェェ!!』


と、爆笑する始末。



この男に『反省』と言う二文字は無いんだなと、飲みに行く度に思ってしまうのであった。





ちなみに、後日談だが、この日たまたま四国から試合を見に来ていた嫁さん(当時:彼女)が、その『ちゃんこ』を食していた、、
、。

一緒に見に行っていた友達と、『かなり薄口だったが、美味しかったよ~』
と言っていたとか、、、。



しかも、三郎は、
『今日は~、塩ちゃんこですよ~。素材の味が生きてます!!』


と、かなり適当な謳い文句を口にしていたそうな、、、。



三郎が、愛される理由がそこにはあった気がする(笑)