日にちが経てば経つほど その気持ちは確信へと変わっていった
ほんますごいわー!
それから徐々に 障害者のヘルパーの仕事が増えていった
祭りの後の仕事は
作業所の仕事をしてたダウン症の子が頚椎の手術を受けてから
歩けなくなり 家に閉じこもって 仕事に行かなくなったので
最初は家から出ることから始めて
最終的に仕事に行ってもらえるようにすることらしかった
いやー こんなかっちょいい仕事できていいわー
ほんま うれしいわー って思って
意気揚々とその子の自宅に行った
約束した時間に自宅に行くと社員の女の人が待っていてくれた
引継ぎみたいな感じだ
その女の人と家に入ったらS君のおかあさんとお父さんが居た
すると部屋の奥のほうにS君がPS2のゲームをしてた
S君はだいぶ太っていた
僕たちが入っていっても 知らん顔してゲームをしてる
そしたら お母さんが社員の人と僕ににお願いしますって頭を下げた
社員の人はS君に「S君 ヘルパーの人来てくれたよ 一緒に外に行こ」
って言ったら 「うるさいー!」ってゲームのコントローラーを投げつけた
おぉーーー! なんや これ って見てたら
社員の人は 「kaiさん 後 お願いします」って帰って行ってしまった・・・
おいおい 俺 この仕事初めてなんやで 後お願いしますって・・
S君は またコントローラーを拾ってゲームをしている
コントローラーは過去に何回も投げたらしくセロハンテープで補強してた
しばらく 沈黙が続いた
S君の両親も 僕に何も話しかけてくることもなく黙ってる
はぁ~ たのむわ~
でも大丈夫や ってなんかわかんないけどそう思った
僕はS君に「遊びにいこか?」って声をかけた
S君はコントローラーの指を止めてジロッと僕を見た
そしたら 「行こかーー」って微笑み返してきた!
なんなんや! ほんの数分前とまったく違うやん! なんなん?
一瞬で好かれた!? そんなことあるわけないやんといろいろ思ったが
S君がニコニコしながら 立ち上がろうとしてる
足が悪いので 近くのタンスに手をかけ ゆっくりと立ち上がった
S君は34歳で体重は95kg位あったろうか
お母さんは S君が外に行くって言うのを聞いてて驚いた様子だった
S君は玄関まで来て靴を履いてる
僕はS君が立ち上がるのを抱きかかえて
外にあった車椅子に座らせた
ふぇー! めちゃ重い!!
その後 車椅子を押して近くの公園まで散歩した
体重が重いせいか車椅子がギーギー音をたててる
でもS君は上機嫌だった
30代なのに ほんと子供みたいで かわいらしかった
それからは週3回 S君と一緒に公園に行った
しばらくして 歩く練習の為 近くの整骨院に行くのが日課になった
S君はめちゃおもしろく 整骨院から帰る時は必ず
「またねぇー」と言って 受付の女の人に投げキッスをする
待合室に居る人達はそれを見て みんな笑ってた
その後は公園でテニスボールでキャッチボールをして
帰りに本屋に行くのが 一日のコースになってた