何度も失敗を繰り返し、たくさんの小麦粉を無駄にして、やっと念願の小麦酵母が完成した。
かねてから興味のあったパンづくり。会社勤めをしていたときは毎日疲れ果てて何もする気が起きなかった。
自由になった今はとりあえずずっとやりたいと思っていたことを片っ端からやることにしている。
そのひとつがパンづくり。
手始めに、天然酵母を起こそうと初心者でも簡単だと言われているレーズン酵母に挑戦した。
9月下旬。山に出かけている間に表面にカビがびっしり、、、。失敗。
毎日瓶を振らなければいけないのだが、まあ気温もそれほど高くないし3日くらい大丈夫だろうと高をくくっていたのが甘かった。
表面にびっしりと浮かぶカビを見て速攻ゴミ箱へ。
有機の高いレーズンを使ったため、廃棄は心が倍に痛む。失敗前提で安いレーズンを使うべきだったと反省。
2回目の挑戦。次は毎日瓶をしっかりふる。が、室温が低いせいか4日経っても5日経ってもしゅわしゅわしない。
そしてやっぱり白いカビが少し生える。調べたところ、カビの部分だけをスプーンで取り除けばOKとのことなので、カビらしきものが発生したら即座に取り除き続けること7日目。その間、1日4、5回は様子をみていた。その甲斐あってやっとシュワシュワ感が出てきた。
が、カビに恐れをなして、毎回白っぽいところをがっつり取り除いていたら容量がだいぶ減った。。。
8日目シュワシュワ感はあるものの、写真にあるように泡がぶくぶくするほどまでには至らない。
これ以上室内おいて置くと失敗するような気がしたのでとりあえず冷蔵庫で保管。
酵母力は弱そうだったがとりあえずパンを焼いてみることにする。
膨らみが少し足りないような感じだが、味はおいしい。おいしい食パンが2斤できた。
しかし、レーズン酵母は世話が大変だと実感。これを続けるのはわたしには無理だと判断した。
そこで偶然みつけた林弘子さんの「小さな酵母パン教室へようこそ」という本の中で紹介されている小麦酵母に挑戦することにした。
本自体はとても面白い。が、小麦酵母の起こし方についてはここでは詳しく書かれていない。
「秘伝自然発酵種のパンづくり」のほうに詳述されていると書かれているので図書館でこちらの本を借りた。
が、この本の中にも手順などは詳しく書かれておらず、しかしとりあえず強力粉、準強力粉、薄力粉などを揃えて挑戦してみることにした。
結果は、大失敗。
本は具体的にこうする、という手順が全くないため、パンづくりもパン種づくりも初心者のわたしには敷居が高すぎた。
まず、生地が発酵したのかどうかが不明。よくわからないまま冷蔵庫で育てるも、2回ともドロドロの恐ろしい塊となった。
とても酵母と呼べるようなものではなく、腐敗しているかのようなドロドロ具合で(ただ、腐敗臭はしていなかったので、水を加えず、小麦粉だけを足せばなんとかなったかもと今は思う。)、とりあえずドロドロの種を使ってパンを焼いてみたものの、膨らむはずもなく、あえなくゴミ箱行となった、、、。
悶々としている中、同じ著者の「酵母でつくる焼き菓子レシピ」という本があることを知り、またまた図書館で借りた。
最初からこっちを借りておけばこんなに失敗することはなかったと思う。
ここには、小麦酵母の起こし方が非常に詳しくのっているのだ。
小麦酵母をおこしたい人は、まずこちらの本を読むことをおすすめしたい。
この本どおりにやったらすぐにうまく酵母が起こせた。ド
ロドロになんてならないし、フルーティなとよい香りのふわふわの小麦酵母が完成した。
早速焼いてみるとパンはしっかり膨らむし、なによりおいしい。
酵母が完成した後は2週間に1度種つぎをすればよいだけであとは冷蔵庫にほったらかし。
これならわたしでも続けられる。
今はこの3つの本に載っているパンとお菓子のレシピをひとつづつ試して自分のお気に入りパンを探しているところ。
我が家には簡易オーブンつきの電子レンジしかなく、作れるパンの種類は限られているが、湯煎で発酵させたり色々工夫しながらパンづくりを楽しんでいる。著者の林さんも書いているが、道具がないからパンが作れないなんてことはない。
私はパンのこね台もないし、発酵器もないし、簡易電子オーブンしかないけれど、それなりに工夫しながらパンづくりをしている。
自分の手で作りだすパンはやっぱりおいしい。そして酵母を育て、パンを作る工程もやっぱり楽しい。
パンづくりの才能はなさそうなのでパン屋になることはあきらめ、趣味でパンを焼き続けていこうと思う。