北アルプス:燕岳 | 生きているあいだにやりたい100のリスト

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8月某日。

知り合いが去年燕岳から常念岳まで縦走したことに刺激を受け、今年は燕岳に行くことにした。
平日はオフィスワークの上、休日はほぼ一歩も部屋から出ない。出るとしたら隣駅の自然食品の店に行くかマンション裏のスーパーに食材の買出しに行くくらいだ。
そんな生活を続けているものだから体力はほぼない。
登山予定日1ヶ月ほど前から会社で午前と午後に22階までの上り下りを休憩がてらしていた。
最初は数段上っただけで息がきれていたが、そのうちゆっくりだが息を切らさずに22階まで上がることができるようになった。
ちょっと自信をつけて燕岳へ。
 
早朝6時半新宿発穂高駅行きの高速バスに乗る。
定刻どおり穂高の駅に着くと、すでに10名以上の登山者が中房温泉行きの乗合バスを待っており、皆さんと一緒に和気藹々とバスに乗り込む。
ここから約1時間で有明荘に到着。降りたのはわたし一人。皆さんは登山口の中房まで行くようだ。
私は荷物を預けたかったので有明荘で降り、そこから15分ほど歩いたところにある登山口に向かった。
ちなみに有明荘では手荷物を無料で預かってくれるので帰りの温泉セットを置いて、身軽に登山に向かえる。
 
有明荘から中房までのコンクリの登り坂が結構辛い。登山開始前にすでに疲れていた。
登山口で届けを出して、トイレを済ませ、いざ出発。
 
最初から急登。結構きついかも。
第一ベンチまで30分。第二ベンチまで30分。第三ベンチまで30分。その後、富士見ベンチ、合戦小屋と続く。
ずっと登りだけれど、登山道はきちんと整備されているので危険なところはない。
ゆっくりゆっくり登る。ツアーで来ている団体さんが多いため、ゆっくりしか登れない。
逆にこれがよかったのか、合戦小屋まで大きな疲労を感じることもなく、楽しく登ってこれた。
が、ここから燕山荘までが結構きつかった。体力なさすぎ。。
結局登山口から燕山荘まで合計4時間。あまり休憩を取らなかったので標準タイムよりは早く着いた。
でももうへとへとで、とても燕岳山頂まで行く気になれず。
 
 
夕方着だったので、お部屋はずーっとずーっと玄関から遠くの新館。
4時間歩いてきた身体には非常に辛い。
すでに先客4名。60代の女性二人と親子二人。
関西からきている60代の女性二人がとても気さくな面白い人たちで、彼女たちのおかげで非常に楽しく過ごすことができた。
へとへとの私は畳の上で一歩も動かず、この二人の女性もへとへとだと言い、ひたすら3人でおしゃべり。
もともと翌日中房に戻る予定だったけれど、こんな状態じゃあ常念までの縦走なんて夢のまた夢。
よくアンナプルナもエベレストもランタンも行ったなあ、と自分に感心する。
 
燕山荘はとても大きな山荘で、数百人を収容できるらしい。
平日は○マークだったので布団一人一組かと思いきや、結局3人2組だった、、。
じゃあ△マークだったら二人一組ってこと?×は三人一組?
トイレは男女別れていて結構清潔で、ご飯もボリュームたっぷりで普通に美味しかった。
 
ただ、去年泊まった横尾山荘と比べてしまうと断然横尾のがよい。2段ベットでそれぞれ仕切られており個人スペースでくつろげた上、シーツと枕カバーは洗いたて。
さらに風呂まで入れる横尾はかなり快適だった。
それに比べると食事も行列になって並ばなければいけないし、トイレもいつも行列な上、小さな部屋にぎゅうぎゅう詰めの燕山荘で1万円はちょっとどうかと思う。
 
夜、案の定、同室の2人のいびきで他の人たち眠れず。。。辛い。。。しかも部屋の換気が悪くてくっさいし。。。
ほぼ一睡もできぬまま、早朝3時半に明かりがつく。少しだらだらして、私も洗面をすませて軽く身支度。
朝陽が登る前に燕岳山頂を目指す。あいにく雲がかかっていて、綺麗な朝陽は見ることが出来なかった。
 
 
 
 
 
 
8月でも朝はかなり寒い上、風がとても強かった。
山荘から頂上までは徒歩20分から30分。常念や槍も見えてなかなかよろしい。
が、西穂のような壮大な景色とまではいかない。数百メートル違うだけでこんなにも景色が違うんだなと改めて思う。
わたし、高いところが好きなんだなと思う。富士山も西穂も頂上からの眺めが素晴らしいのだ。少しネパールで登った山からの景色に似てる。
燕はそこまでじゃない。やっぱり高さの問題だろうか。
 
しばらく頂上を散策してから山荘に戻る。ちょうど朝ごはんに列ができていなかったので並ばずに朝食をいただけた。
朝は食欲がない。さっさと食べて洗面を終え、下山の準備。
仲良くなった人たちもみな下山組み。親子は常念まで縦走とのことでお別れ。
みんなに軽く挨拶をして下山開始。
道が乾燥していてとにかくすべる。歩き出してすぐ転んでしまった。
ずるっといってしまうのだ。慎重に歩を進める。
合戦小屋でちょっと休憩。
 
ここで群馬の学校でALTとして働いているアメリカ人の女の子と仲良くなり一緒に下山。
2年間日本で働き来週帰国するという。
日本語が上手で人懐こい愛らしい女性。
日本が大好きだから帰国するのが悲しいと言っていた。
おしゃべりしながら楽しく下山。でも最後の最後の第一ベンチから下が辛い。
下っても下っても全然着かない。やっと着いたときにはへっとへと。
ソフトクリームを食べるという彼女と別れ、有明荘に向かう。
もう膝が笑ってる。
道中たくさんのおさるさんが道路を横切る。小猿が母にまとわりついている。可愛らしい。
 
有明荘で温泉につかりほっとひと息。
着替えいるときにどんどん登山者が下山してきて風呂場はひとでいっぱいに。
早めに着いたのは正解だった。
 
関西の二人組と再開し昼食を共にして乗合バスで穂高に戻る。
皆さんそれぞれ帰路へ。
わたしは姉家族と合流すべく追分駅へむかう。
 
燕岳。出会いが楽しい山登りだった。