勝手にHEY-SMITHの"STOP THE WAR"のレビューを書くの巻 | 10-FEET TAKUMAオフィシャルブログ Powered by Ameba

勝手にHEY-SMITHの"STOP THE WAR"のレビューを書くの巻


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勝手にHEY-SMITHのレビューを書くの巻


#1 の instream で幕を開けるアルバム’’ STOP THE WAR’’
HEY-SMITH のサウンド、疾走感と共に駆け抜ける重量感、 STOP THE WAR というアルバムタイトルにそぐわない表現をしてしまう僕を許して欲しいのだが、目を閉じると悪路を目にも止まらぬ速度で駆け抜ける重戦車が目に浮かぶのです。これは僕が#2のStop The Warのmusic videoをyoutubeで見過ぎたせいか 笑 いや、そうでは無い、きっと彼らが音楽の力によって無慈悲な争いを止めたいという義勇軍ロック楽団の様な魂で奏でているからに違い無い。武器も楽器もそれを手に取る人間によってそこに生まれる力の大きさも色も形も変わるモノだと思う。そう、だからこれが彼らの音楽的攻撃力であり、悲しい争いごとに対する音楽的抑止力そのものなのだろう。デカイ!強い!ほんとにすんげーアルバムである。



話はアルバムの幕開けに戻るのだが、instreamをヘッドホンで鳴らし、アンサンブルの構図というか、コードやメロディ、’’HEY-SMITHスケール’’のというモノを久しぶりに自分の鼓膜にぶつけてみたわけだが何かが違う。うん、冒頭でも同じ表現をしたのだが’’重戦車’’なのだ。以前までのHEY-SMITHが空を自由に翔けて戦う戦闘機と例えるならば、今はどんな悪路も迷 わず走り抜けて魅せる’’重戦車’’なのだ。迷いも無く地に足を着け、大地と一つになって戦う戦車。

yuji、かなす、イイカワケンを新メンバーに迎え、主砲、副砲、機銃、煙幕、機長、射手、操縦士、戦い方のバリエーションが段違いにアップグレードされ、曲調に合わせて武器もキャタピラもエンジンも使い分ける無敵の高速重戦車。


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これによってヘヴィなサウンドやハイトーンアンサンブルのスケール感はそのままに’’湿度’’が変わった様に感じたのだ。ウェットとドライの住み分け方が意識的になのか無意識的なのかはまだ伺ってみないと分からないがとにかく神がかってて抜群なのだ。このサウンドチューニングというか音作りとミックスバランスがHEY-SMITHの新曲達の味わいを何倍にも増幅している事は間違い無いと思うのだ。


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これはデジタルサウンド技術の発展に単純に乗っからずにこだわってこだわって生楽器やアナログな部分の良さを殺さない様に心掛けた結果に思えてならない。実際にどこまでがアナログかは本人に聞いてみないと分からないのだが、例えプラグインなどのデジタルサウンドが駆使されていたとしてもバンドサウンドにこだわりや愛が無いと生まれない生ロックグルーヴだと感じたのだ。こういった一つ一つの積み重ねが聴いてくれる人の心にロック魂を伝える結果に結びつくのだと、僕もプレーヤーなのでそう思いたい。僕は今回のこの作品のそういった所に一番感動したかもしれない。メンバーが変わってその分以前までのHEY-SMITHのサウンドを本人達が意識しない事は無かったとは思うが、例えそうだったとしてもそれを大きく超えた新たなHEY-SMITHのオリジンサウンドがここにはある。ちなみに筆者は過去作品も大好物である。

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ライブではどちらも沢山聴けるワケだ。もう興奮ファミコンウォーズやがな。

さてさて、話は少し玄人目線に脱線してしまったかも知れないがどうしても伝えたかったのでゴメン。#2のStop The Warだが文句無し一番バッターにして長打率の高い俊足高カロリー主砲。music video何回観た事か。斬れ味抜群だぞこの曲は。でもそのサウンドは日本刀と言うよりは’’ナタ’’だな。斬れ味抜群のデッカいナタで聴く人の心のストレスを問答無用でバッサバッサ刈り取って行く。聴いてて本当に気持ちイイ。戦場でこの曲爆音で流したら全員武器を置いて頭振り出すんじゃないだろうか。

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そしてダンダンダーーーン!と登場#3 Dandadan!仮タイトルからそのまま作品化した匂いプンプンのこのコ。みんなを催眠術の様に走らせては跳ねさせる事間違いなしだろう。ドラクエだったら不思議な踊りを踊っちゃうぞ。そして#4 のDon’t Worry My Friend。ドントウォーリー過ぎる!HEY-SMITHの曲ってこんなに海や風を感じさせてくれたっけか?この曲ほんまに風ビュウビュウやで!ヘイスミヘクトパスカルやがな。ガッチガチに固定してあるヅラも飛んでいきそうなナンバー。どんな悪球も綺麗にクリーンヒット、イチローばりに捉えてかっ飛ばす不動の四番。

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#5 2nd youth はヘイスミのfastな旨味もスロウダウンな旨味もお客さんを2、3回イカすぐらい調合されてる。#5の時点でこんな重量打線で一体この先このアルバムは僕らをどこまで連れて行ってくれるのだろう。と思ってたらやっぱりとんでもない所まで連れて行ってくれました。#6 Alive And Luckyはこれはもう。。結成からこれまでのヘイスミアプローチのど真ん中なんやけどそんなヘイスミを総称する様な曲を長年作って来た挙句ここに来てその手法でここまで全過去超えする様な曲を作れるのという事は今のヘイスミの状態が全過去超えしているという事なのだろうか。とてつもなくイイ状態だな。。僕もバンドやってるからこういった曲に流れる血液の鮮度からバンドの良い状態濃度がビンビンに感じ取れるのだが本当に迷いなくバットをフルスイングしているのがビシビシ伝わってくるのよね。

そして#7 Truth inside!この曲の何気ないワンコードのブリッジやAメロのアプローチとか筆者は涙が止まらない。この曲には目に見えない’’重心’’と言うか’’軸足’’みたいなモノが存在していて、その軸足は物理的にも精神的にも揺るぎないモノを感じさせてくれて、その軸足を中心にドラムやベースを置き去りにする様に浮遊したリフと言うかギターのコードや上物が宙を舞う。車やボートでパラグライダー引っ張って飛ばしてる様な感じ。この独特な浮遊感がこの曲の心臓部と筆者は捉えており、この浮遊感の不敵さ、無敵さが僕らの鼓膜と原始的な本能を支配してくれるのが中毒に成るんです。ドラムが8beatを刻める所で敢えて’’4’’を感じさせてくれてその隙間がものすごくクールでついついウットリしてしまう 。Task-n。。あんたはなんてロックキッズったらしなんだ。

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そしてその浮遊するモノと軸足、二つの間をyujiのボーカルが制空権を取ってさらに支配してくれる。。ああ、何てカッコいいんだこの曲は。完璧やん。。なんなのよ!くれ!もうこの曲ウチにくれ! 笑 ドラムの間合いの取り方が神のジャグリングって感じ。クールやわぁ。ほんで散々’’空’’や’’浮遊感’’みたいな表現で#7を説いた僕に容赦無く Let Me Flyというタイトルで挑んでくる#8 笑 これまた必聴よ!実際のbeat感よりも数倍のスピード感とボトムを感じさせてくれるねん。これは弦楽器のストロークと管楽器のコンビネーション勝ちです。サウンドはソリッドでガッついてる方ではないのに聴いてる方はめっっっちゃくちゃガッついて聴いてしまうロック魔法の曲。マイナーロック調なのに湿度がそんなに高くなく料理されてんのがヘイスミの凄いところやなぁ。。コード進行は割と多湿な筈やのに景色は海岸の晴れた高速走っとる。なんでや。。ヘイスミロックの魔力やな。これmusic video作って欲しいなぁ。個人的に推奨♪カフェインモッピーよろしく 笑 

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さぁそして待ってましたぁ!#9!!!キター!’’Radio’’!ナックルズの名曲!!!筆者直撃!マナブくーん(ナックルズメンバー)!結成当初よく一緒にやってたバンド!嬉しい!懐かしい!めっちゃくちゃ名曲!!!説明不要!ロックキッズ諸君!聴きたまえ!文句無しに名曲やで♪1回聴いただけで歌えちゃうよ~♪次は#10 What They Hideこの曲ももう、Task-n。。ドラムの間合いが、、昇天。スネアとキックだけでドンブリ三杯イケます。

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【注=二次使用】

この曲は筆者個人的にこれからのHEY-SMITHの未来に大きく可能性を及ぼす曲と見ている。そう感じさせるのはこの曲に流れる血液である。個人的な感想としてヘイスミというバンドは洋楽に、特に洋楽ロックから遺伝子を授かっているバンドとして認識しているのだがこの曲にはソウルやR&B、そしてHipHopの血も感じるのだ。そして特筆すべきはその新たな要素とも言うべきこの血液が登場して早々にヘイスミに完全に支配され、そのルーツを感じさせない程に細胞化しているところだ。これは’’取り入れる’’と言った簡単なアプローチではこうも簡単に支配出来るモノではないという所だ。きっと猪狩という 男は本当に色んな音楽を愛し、長年に渡って鼓膜で呼吸してきたからだろう。僕が想像しているより遥かに色んな音楽を食しているに違いない。今度じっくり音楽談義してみようと思う。アイツとは何度話しても大抵くだらない話かスケベな話しかしてこなかったからである 笑 いや本当に、こら1回ちゃんと談義せないかん 笑 

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この曲を聴いた時にヘイスミは向こう10年以上はロックキッズをしっちゃかめっちゃかに振り回して昇天させてくれるに違いないと思った。覚えておいてくれみんな。このWhat They Hideはビックリ箱の序章やで。

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#11Summer Breeze!筆者はホーン隊のメロディーに歌詞をつけて歌いたいぐらい管楽器の楽曲へのアプローチが良い。それが決して複雑なモノでは無いのだが、こういったシンプルかつキラーなオブリガードはバンドの状態が良く無いと出てこないと思う。

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そして’’ウォオーウォオー’’という歌もシンプルなのに全く媚びてない。ダシと麺の関係になっててしっかりロックとBreezeを同時に感じさせてくれる。曲の鼓動と呼応しているからこっちも歌いたくなっちゃうのだ。こういうのやろうと思っても簡単そうで実は難しい。’’みんなに歌って欲しいから’’なんつって軽はずみにアプローチしても’’とってつけた感’’が出て失敗するもんだ。すなわちここにもヘイスミの熟練度高く繊細かつ迷いの無いロックスピリットがあるから成し得る構成なのだ。簡単そうで全然簡単に出来ないんだぞ!身を持って知っている筆者だった。

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#12 Before We Leaveという曲の優しさとセクシーさ、yujiの波動かな。泣き止んだばかりの空みたい。我慢してた涙も瞼の隙間からスッと溢れる。なんか全部許してくれるみたいな唄だな。沢山の人に聴いて欲しい。僕の曲じゃないけど。そんな気持ちになるんです。絶対聴いておくれよ。この曲。野暮な解説は必要無い本当にイイ曲なんだ。悲しみや不安を乗り越えてきたバンドにしか作れない曲だと思う。必聴×20000

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アルバムのラストナンバー。#13 States Of Warを聴いたロックキッズ達はどう思うんだろう。僕はねぇ。この曲は何故か凄い泣けたの。とても真摯なハードコアだと感じたのね。心の脇腹に突き刺さる様な感覚だった。ハードな中核、人間の魂の中核、彼らのハードコアが。ヘイスミメンバー達のアティテュードが一本槍になって心に刺さるの。単なる’’激しい曲’’的なアクセントとかでは無くて物凄くエモーショナルなの。だからシャウトにも何故か哀愁のメロディーを感じて凄く泣けた。ライヴではどんな風になるんだろう。ヘイスミのこれまでのナンバーにかつてこんなに丸裸な叫びがあったろうか?最も直接的に熱さを感じた曲でした。

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早くこのアルバムの曲達を全部ライヴで聴いて諸手を上げて昇天したいね。というワケで長々と書きましたが今回の彼らの作品本当にとんでもないから聴いて欲 しい一心なのよね。本当にカッコイイから聴いてみて!ライヴハウスシーンの絶対的必需品です。まる。