義父の葬儀での行動
義母の葬儀の手配は
すべて義父と義父の兄弟たちが
取り仕切り・・・
なんとか葬儀の日程が決まり、
義母の肉親である兄弟たちも
集まりました。
義母の血のつながった兄弟は
義母に似た面差しの優し気な
人達でした。
「あの甘えん坊が、
こんなに早くに亡くなって
可愛そうに・・・」
還暦を過ぎた兄弟でも
子ども時代を思い出して
しみじみと語りあっていました。
そんな人たちに対しても
義父は・・・
「料理好きのアレが亡くなって、
食費がバカみたいに安く
なったんですよ!」
「食事なんてね!
冷凍スパゲッティを毎食食べれば
美味しいですしやすいんですよ!」
なんて嬉しそうに口にして
周囲を困惑させていました。
それに業を煮やしたのは
子ども達である夫と夫の兄でした。
入院費用が高いからと
義母のホスピス入所を
許可しなかった義父。
その理由として、
義母の存命中から
「○○家を存続させるには
お金が必要だ。」
「墓の修復だって必要だ。」
というもの。
ワガママ放題の夫に
21歳の時にお見合い結婚で
嫁ぎ・・・
それ以来、姑の世話や介護
家業の手伝いや家計の為の
パート勤めなど・・・
夫の為に献身的に働き
続けていた妻の終末期医療の
お金を惜しむ精神。
それを許せなかったのは、
内情を良く知っているごく近しい
肉親たちだけでした。
そういった諸々の事情により
通夜の当日、義父の長男である
義兄がキレてしまいました。
「なんでいつも
金、金なんだよ!?
お母さんの葬式ぐらい
ふつうにできないのか!?」
義兄が怒っている理由は、
闘病や看取りを見てきた人間には
十分に理解できました。
ですが、
義父を攻め立てたところで
義母は帰ってきません。
夫はそういった思いから、
口を開きませんでした。
そんな中で、
事情をよく知らない癖に
義父の兄弟たちは長男への
非難を繰り返します。
「本家の家長である父親に
なんていう態度だ!!」
その場で、
完全に悪者なのは長男でした。
ですが、
義母の実の兄弟たちや
夫や私たちにとっては・・・
長男こそ義母の真の思いを
代弁する人間として感じられて
いました。