ミステリーを超えた神ゲー | ひつじの日

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ミステリーゲームについて調べると、いつもおすすめに表示される『428 〜封鎖された渋谷で〜』。

ついにやってみました。評判がとても良く、神ゲーと名高いサウンドノベルゲームです。

2008年発売なので、やはり古臭さは感じます。ボイスも無いですし。

しかし、素晴らしい作品というのは新しさから生まれるものじゃない。素晴らしいものは、いつの時代だって素晴らしい。

このゲームは、まごうことなき神ゲーでした。まるで長編映画を見終わったかのような充足感。

ミステリーなので、もちろん謎を解くことは重要です。しかし、このゲームで大事なのはそこじゃない。

愛というものを教えてくれます。親子愛、友情、憧れ、兄弟愛、上司と部下、愛する人。人間は、いつだって愛に溢れている。

自分は冷たい人間だ、他人に興味がない。もしそうだとしても、微かな愛を持たずには生きていけない。

その愛が、私が私である証であり、誰かを救い、時には人を傷つける。それでも……それでもやっぱり尊いんです。

借金に塗れたって、明日の生活が見えなくたって、船に乗せられて過酷な労働をさせられる未来が待っていたって、俺は幸せ者だなあって思うんですよと言う男がいた。

様々な愛の形が溢れる作品に、中盤から何度も泣かされました。

このゲームは、ミステリーの部分ももちろん面白いです。伏線が点に集まるのは、鳥肌が立ちました。

でも、それに加えて登場人物の魅力、彼らの人生が素晴らしいです。

人間は捨てたもんじゃない。きっと、私だって捨てたもんじゃない。そんな風に思える素晴らしいゲームでした。