それは捉えようとするとスルリとすり抜けます。
全く捉える事が出来ません。
きっと、外の世界の彼女もそうなのでしょう。
そうなると、私に出来るのは「ただ観る」という事だけです。
捉える事は出来なくても、観る事は出来そうです。
私はただ、私の中の彼女(“幸せ”)を観ます。
彼女との距離は近くはありません。
しかし、観る事が出来る範囲の中には在ります。
とても手は届きませんが、視界には入れる事が出来ます。
手が届く距離ではないのだから、捉えようとしてもその手は空を掴むのは当たり前です。
イメージの中の彼女は、手の届かない距離から私を見詰めています。
「観る者は、同時に観られている」のです。
私も目を反らしません。
ただ、観ます。
それで何が起こるか分かりません。
正体が分かって、手が届く距離まで近付くかも知れません。
それまでは、動かずに今の距離関係のまま観続けます。
今の私にはそれしか出来ません。