心の中でBさんに触れる | 魂の世界に生きる

魂の世界に生きる

私が内なる世界と呼んでいたものは、魂の世界だった。

私は非常に臆病で、成功を確信する(失敗を意識しなくなる)までは決して動かないタイプです。

無理を通さず、強引に物事を進めず、周到に準備を重ねた末に行動を起こします。

「男らしいか」と言えばそうでもないし、人の上に立つ資質にも欠けているでしょうが、私はこの性分を改善するのではなく利用する事にしたいと思います。



私は今、心の中でBさんに触れています。

抱き締めたり、髪や頬を触ったりしています。

お互いに服は着ていますけどね。

これは心の距離を縮める意図を持っての試みです。

好き過ぎて姿を見るのですら辛い対象に、まずは心の中で密着してみるのです。

実物を触れる事に比べれば遥かに及ばずとも触覚が伴い、心的反応もあります。



月から見た地球は美しかった。

しかし、地球の中に入ったら月で見た美しさは何処にも無かった。

あの美しさを再び見る為に月に戻った。

そして、改めて地球の美しさを認識し、また行きたくなった。

こんな出たり入ったりはもう止めです。

感じられなくとも美しさの中に居て、美しさを感じたいが為に外に出れば美しさから離れてしまう。

その事を理解したからです。



私がBさんと限りなく心的距離が近くなれば、かつて感じた諸々の感情や感覚は無くなるでしょう。

それは無くなるのではなくて、私がそれらと1つになったから感じられないのです。

感じられないのが正解で、最も良い状態で、本当に求めていたものなのです。



あなたにも経験があるかも知れません。

好きで好きで堪らなかった人と一緒になった途端、「好きではなくなった」と感じた事が。

「一気に熱が冷めた」という感じが。

しかし、それは本当の意味で「好きになったから」なのです。

その人を好きになったのではありません。

自分が好き(という者)になったのです。

好きから好きは見えないし、感じられないのですよ。



「訳が解らない」と思ったら、月と地球の例えを思い出してください。

地球に居れば地球は見えない。

「地球が見える」という事は地球には居ないという事である。

見えない方が良いでしょう?