潜在意識は、自分専門カウンセラーとして実に有能でありました。
「他にも別の人の助言が必要だ」とは微塵も感じさせず、全ての問いに完璧に答えてくれました。
この部分に関しては、ジョセフ・マーフィーの各薯に記されている内容に間違いはありませんでした。
心的な面ではもう言う事はありません。
任せて絶対に大丈夫です。
では、物的な面ではどうでしょう。
例えば、カウンセラーに「お金をください」を言っても、それはカウンセラーの役割ではありませんから応えてくれません。
お金を出す役割を果たす人に、そう頼む必要があります。
真っ先に思い浮かんだのは、“パトロン”です。
そう、「潜在意識にパトロンの役割を持たせる事が出来るのか」が今後の焦点となります。
カウンセラーに見立てた潜在意識に「答えをくれ」と頼んだら、無条件で答えを示しました。
引き換えに何も差し出す事も無く、努力も必要とせず、能力や技術などの外的要素も一切関係無く、ただ示してくれたのです。
それと同じ様にパトロンに見立てた潜在意識に「金をくれ」と頼んだら、無条件でお金を出してくれるんでしょうか?
正直、貴方もこの部分が最も関心のあるところではないですか?
「引き寄せの法則だ」と言って、人を内面の世界に引き込む取っ掛かりとしては、「物で釣るかの様な表現が有効である」というのは、稲田が見ている世界においては認めざるを得ない事実です(稲田はとても気に食わなかったですけど)。
「何でも悩みが解決します!」よりも、「何でも欲しい物が手に入ります!」の方が、人に「動いてみようかな」と思わせる作用が強く働くんじゃないでしょうか。
その「動いてみようかな」を「飛んでみようかな」に言い換えて感じてみます。
自分の飛行機(願望)が飛ぶ為には、重力(心的欲求)と浮力(物的欲求)が必要です。
物心が合わさった部分で飛ぶ(願望が実現に至る)のですから、どちらに片寄ってもいけませんし、どちらかだけの作用しか見出だせていない状態でもいけません。
そして、「飛べるはずだ」という一定の確信というか、「前例は無くとも前提が有る状態」も必要となります。
それらが整った上で、「飛んでみよう(みたい)」という作用を受ければ、「飛んでみようかな」いう意欲も湧くでしょう。
稲田の中にあらゆる問いに的確な解答を示してくれるカウンセラーは居ました。
だから、あらゆる物を出してくれるパトロンが居たって別におかしい事ではありません。
…と思うんですけど、どうなる事やら。