金羊毛皮の翼 -9ページ目

金羊毛皮の翼

その日にあったことや思ったこと、その日に関するギリシャ神話ネタやらを書いていきます。
更新は不定期です。何日も続いたかと思えば、ずっと更新しなかったり。
更新がなくても生きているので大丈夫です。



ケイロンの下へ預けられたアスクレピオス。ケイロンの下にはたくさんの子供達が預けられていましたがアスクレピオスだけは変わった子供でした。
他の子供が武芸に励む中、アスクレピオスは薬草の効能を調べたりしていました。
これに目を付けたケイロンは自分の持っている医学の知識をありったけアスクレピオスに教え込みます。
そして彼はギリシャ一の(※1)名医になりました。
ギリシャ中(※2)に名を馳せたアスクレピオス。彼の元には沢山の患者が訪れました。
そんなある日。
とても美しい女性(※3)がやって来ました。彼の伯母に当たる女神アルテミスです。
「アルテミス様?なぜ病気にならないお体のあなたがここへ?」
「貴方に見てもらいたい患者がいるの。お願い」
アスクレピオスは言われるがままにアルテミスについて行きました。見るとそこには一人の若者が横たわっていました。しかし。
「アルテミス様。恐れながらこの方はもう…」
「わかってる。でも貴方ならできるでしょ?生き返らせて!」

アルテミスの見て欲しい患者と言うのはもう既に命を絶った青年ヒッポリュトスでした。彼は恋愛を不純なものとして嫌い、純潔の女神アルテミスだけを崇拝していたのでした。本来は男嫌いなアルテミスですが、彼の清い心にうたれて崇拝を許していました。

アスクレピオスは一世一代の偉業に取り組むことにしました。
そしてアスクレピオスはメドゥサの首が学芸と戦術の女神アテナより託されていたことを思い出します。これはポセイドンの息子ペルセウスがアテナに捧げたものでした。右側の血管からでた血液は救命効果が、左からでた血液はその逆の効果を持っていました。
アスクレピオスはこの右側の血管の血を使ってみることにしました。
なんと言うことでしょう。ヒッポリュトスはみるみる回復したのです。
アスクレピオスは死者の蘇生に成功したのです。
しかし、彼にはわかっていました。やってはいけないことをしたのを。

冥府の神ハデスは冥界の異変に気づきます。
「あれ?死者が…減ってる……?まさか!」
ハデスの思ったとおり、死者を蘇らせた医者がいました。アスクレピオスです。もしアスクレピオスが全ての死者を蘇らせでもしたら大変なことになる。地上には人が溢れ冥界は人っ子一人いなくなる。このままでは秩序が乱れてしまう!

アスクレピオスの元にハデスから訴えを受けた大神ゼウスがやって来ました。
「アスクレピオスよ。死者を蘇らせるなどと秩序を乱すことをしおって。自分がしたことを分かっておろうな?もし全ての人間を生き返らせてしまえば地上は人工過密になり土地や食物の争いが絶えなくなる。世界の三分の一を占める冥界が全くの無意味なものとなるのだ。愚か者め。人間は限りある命を輝かせるからこそ美しいのだ。善意で行ったとはいえ、自分のした罪を償うがよい」

アスクレピオスはゼウスの雷霆によって打たれて命を落としました。




※)注釈
(1);当時はギリシャ至上主義だったため、ギリシャ一=世界一でした。
(2);上と同じ理由でギリシャ以外なんてどーでもいいところなのです。βάρβαροι(=異邦人=野蛮人)が住んでるとこなので。
(3);全く関係ありませんが、個人的な神々のイメージ像の中で一番タイプの人です。日本人な顔で細身でロングヘアでクッキリした顔(薄化粧)。





実はまだ続きます。