※「宮城大楽」のクジャ様はケツイに満ちていた。

 

昨年11月に始まった「"RE_PRAY" TOUR」が、先週大成功のうちに終わった。

ちょうど1週間ほど前、「宮城大楽」を観るために15年ぶりで仙台を訪れたのが、遥か昔のように感じる。

今頃感想を述べるのは気の抜けたサイダーのようなものだが、羽生情報の洪水に埋もれてしまう前に少しだけ思い出しておきたい。

 

8日月曜日の午後、千歳空港からのフライトではお仲間らしい人を見かけなかったが、仙台空港から電車に乗り換えると、大勢の水色パーカー集団に遭遇した。

※細部にこだわる羽生選手のことだから、非戦闘時の

サンズが着ているパーカーを意識して、デザインしたのは間違いないだろう。

羽生選手のサンズ愛を感じる。

 

自分は、仙台駅直結のMホテルに宿泊したので行動範囲は殆ど駅構内、土産物店やスーパー、飲食店など何でもあるので便利だったが、ここでも水色パーカー族が目立っていた。

「GUCCI仙台」では大行列ができていたようだが、地方経済を強力に回すファンの熱量は本当にすさまじい。

予算の関係でGUCCIは買えなかったが、自分の大好きな

仙台名物「笹かま」を爆買いして、実家や友人たちに送っ

た。

笹かまは、店に頼んで製造工場から作り立てを発送してもらったので、鮮度が良く皆に好評だった。

「またぜひ仙台に行って、笹かまを買ってきてくれ」と電話してきた友人もいるが、こればかりは激戦の羽生チケをゲットできないと何とも言えないので確約はできない。

※昔からこのメーカーの商品が好き。

 

 

Mホテルのアメニティグッズの中に「雪肌精」の乳液サンプルがあり、思わずニヤリとする。

羽生選手のファン層を意識して、チョイスしたのかもしれない。

Mホテルの好感度が数ポイントアップした。

 

翌日のショー観戦のために体力温存で遠出はせず、夕食は予約してあったレストランで仙台牛の鉄板焼きフルコースを堪能した。

※レストランのPR写真より。

月曜日の夜ということもあってか店内は空いていて、くつろいだ気分で料理とワインを味わうことができた。

目の前でジューシーなヒレ肉を焼いてくれるシェフに、

「羽生選手のアイスショーを観るためにやって来た」と告げると、嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

 

ショー当日は朝から冷たい雨が降りしきる生憎の天気だったが、「利府行シャトルバス」の流れはスムーズで、待ち時間もほとんどなかった。

座席のお隣さんと羽生選手談義をしているうちにあっという間にスタジアム到着、思った程遠いとは感じなかった。

むしろ冬の札幌駅前から真駒内競技場に行く方が余程時間がかかるに違いない。

会場では水色パーカーに「RE_PRAYトートバッグ」を持っている人を多く見かけたが、年季の入ったGUCCIバッグを持っている人も結構目立った。

羽生選手のアンバサダー就任を祝って、自分も15年以上愛用のバッグを持参した。

※コスチュームピー3体とフラッグ代わりのアイリングッズも一緒に連れて行った。

 

 

平日で悪天候にもかかわらず会場は超満員、天井席まで人が溢れる光景は壮観だった。

※雨にも負けず、風にも負けず---。

 

激戦を勝ち抜いてゲットした座席は東ブロックのSS注釈席だったが、お立ち台が真横からすぐ近くに見える特等席で、第4希望にしては恵まれすぎて申し訳ないくらいだった。

 

お隣さんが誰のファンか気にしなくても良い単独ショーは、実に平和で心が和む。

昨年の「SOI横浜」観戦ではちょっとした緊張感もあったので、今回はホッとした。

バスのお隣さんもそうだったが、今回の座席両隣も、羽生選手をジュニア時代から見続けているベテランファンだった。

ピョン落ちの自分には知らない過去の色々なエピソードを聞いて、羽生選手があらゆる困難を乗り越えて数々の栄光を掴み取った陰には、長年に渡り彼を純粋に応援してきた多くのファンがいたのだということを改めて知った。

羽生選手が何時もファンのことを大切にしてくれるように感じるのは、古くからの誠実なファンたちの影響も大きのだろう。

 

ショーの感想は唯々「凄い!」の一言に尽きる。

自分にとって”RE_PRAY”の何が凄いのかというと、羽生選手の超絶演技と立体映像のマッピングが合体し、会場全体を舞台にしてショーが展開されているということだった。

これは、テレビの映像や映画館の大画面だけ見ていても十分には伝わらない。

やはりライブ会場で、最高の音響効果を体感しながら全体を俯瞰して見渡せるからこそ、見えてくるものがある。

 

どの演目も素晴らしかったが、マッピングと強烈に一体感を感じたのが『レミエン』だった。

観客席にいる自分たちにもスポットライトが当たり、コーレスの大合唱で場は大いに盛り上がったのだが、観客はいつの間にか羽生選手と一緒に舞台にいる、共演者になっていたのである。

※この巨大でサイケな光空間を観よ!

 「シルク・ドゥ・ソレイユ」だってこんなにワクワクしない、圧巻の羽生大劇場。

自分もここで叫んでいたのかと思うと胸熱だ。

『三毒様』の真っ赤なロードと光の柱、『メガロヴァニア』のパワフルな骨攻撃も迫力があった。

 

『天と地のレクイエム』の、オレンジから白に変わるランタンも印象的だった。

「利府」という特別な場所で演じられたからこそ、グッと胸に迫ってくるものがあった。

羽生選手の演技は、鎮魂の祈りを込めた奉納舞のようだった。

※美しくもどこか物哀しい、精霊流しのような空間演出。

 

 

以前から感じているが、羽生選手は空間をフルに使って

イリュージョン(幻想)の世界を創り上げる達人である。

旧エキシナンバーでは、マッピングなど一切ないのに、暗闇に最低限の照明が醸し出す効果を計算し尽くして演出を考える。

その結果、『春よ、来い』では氷の欠片を頭上に放り投げることで空間に桜の花を咲かせ、『スワン』のジャンプでは、夜空にオオハクチョウが飛び立つがごとき幻を見せた。

派手なマッピングがなくても十分に観客を魅了できる羽生選手だが、マッピングという新しい演出を導入することで観客をより楽しませることもできる。

MIKIKO先生という強力な助っ人を得て、様々なジャンルに挑戦する羽生選手、次に会う時はどんなイリュージョンを見せてくれるのか、楽しみに待つとしよう。

 

※聞いてはいたが、公演終了後に駐車場に並ぶバスの列は壮観だった。