ロシアによる電撃的なウクライナ侵攻から1ケ月、当初は2日で戦争を終わらせると豪語していたロシア軍は、ウクライナ国民の反撃に合い苦戦を強いられている。

戦死者や負傷者が増大する軍の戦力を補うため、ロシアでは20歳前の少年達も徴兵され、訓練を受けた後にウクライナの最前線に送られていると聞く。

反射的に、北京五輪に参加したロシアの18歳トリオ、セメネンコ選手、コンドラチュク選手、モザリョフ選手の顔が思い浮かんだが、悪いジョークと笑えないところが怖くて悲しい。

数日前、国連のグテーレス事務総長が、「この戦争に勝者はいない、敗者だけ--」と停戦を呼び掛けていたが、全くその通りだと思う。

 

戦争の影がチラつく中、フィギュアスケートのW杯がフランスで行われた。

これ迄羽生選手が出ない試合でも結構見ていたのだが、今回は何故か全く見る気になれず、ネットで結果を知って、「ああそうなんだ」という他人事のような感想しか持てなかった。

大好きなパパシゼ組のダンスさえ見たいとも思わなかったことに我ながら驚いているが、色々なブログを読んで、自分と同じような感覚を持った人が大勢いたことを知った。

 

それでも、W杯より少し前の2月下旬にオランダで開催されたチャレンジカップでは、山本草太選手やマリニン選手、女子で優勝した松生理乃選手の活躍を楽しむことが出来た。

ジュニア女子で優勝した千葉百音選手、準優勝の柴山歩選手も素晴らしい演技を見せてくれたし、ジュニア男子で優勝した中村俊介選手も中々良かった。

中村選手はショートでは『Eye』、フリーでは『月光』を演じていたが、某大先輩の系譜に組み込まれていくようで少し気になった。

ノービスの頃は羽生選手リスペクトを熱く語っても、関西地域に所属していると、成長するにつれ自分の本音が中々出せなくなる選手が多くなり、村社会の暗黙のルールがあるようで息苦しさを感じることがある。

才能ある中村選手は、余計なしがらみなどなく、素直に成長して欲しいものである。

 

W杯を見る気をなくすほど失望させたのは、ジャッジに対する不信感をはじめとする、北京五輪の諸々の出来事であるが、諸悪の根源はやはりJSFの閉鎖的な体質であろう。

羽生選手という選手達にとって最高のお手本がありながら、それを無視し、派閥争いや大国への忖度に明け暮れ、選手のモラル向上や教育はそっちのけだった。

一部の選手は毒親に育児放棄された子供のように、国を背負う責任を感じることもなく、一般常識さえ身につかないまま国際舞台に放り出され、恥の概念も無いまま世間で醜態を晒している。

そんな選手達の無防備さが、某イラストレイターのような悪質アンチに付け込まれ、利用される事態を招くのだろう。

W杯の低視聴率やファン離れを、組織の上層部はどう考えているのだろう。

観客も疎らなチャレンジカップで一生懸命に頑張っていた若い選手達の姿を思い浮かべると、

彼らの未来の為にも、JSFは早急に組織改革に動いて欲しいと願うばかりである。