羽生選手の全日本ショートは、「よっ、待ってました、大統領!」と大向こうから声を掛けたくなるような、最高にカッコイイ内容だった。

「Let Me Entertain You」の曲に合わせ、観客からジャッジ迄ノリノリで煽っていたし、衣装が又凝っていて憎い。

光沢のある黒いライダー風ジャケットには、クリスタルとゴールドのスパンコールが派手に光っている。

パンツは何と、黒いエナメルレザーではないか。

この衣装はロビーよりも、昔同じ曲を歌っていた初期のクィーン、フレディ・マーキュリーに近く、少し退廃的でセクシーな雰囲気がある。

これにエナメルの帽子でも被ってくれたら言う事はないが、スケートを滑るのは無理なので、単なる妄想願望である。

又デザインとしては、トシさんが以前着ていた、クリスタルのスパンコール付きライダージャケットにもよく似ていた。

指なし手袋もトシさんのトレードマークみたいなもので、もしかしたら羽生選手からロックなトシさんへのリスペクトも含まれているのかもしれない。

昨年のFaOIのように、キャー、キャー言いながら、二人の競演を又見たいものである。

 

羽生選手のショートの得点は、一人だけ100点を超える別格の演技だったが、スピンが何故かノーカウントという謎採点だけはやや不可解である。

しかし、コロナ禍でコーチ不在、深夜の一人練習、リモート振り付けでここまでやれるのは羽生選手以外にいないだろう。

羽生選手が試合に出場すると試合の格が上がるというが、確かに先日のNHK杯と比べると、華やかさや試合全体に漂う緊張感が違う。

羽生選手の動画は早くもネット上に拡散され、待ち焦がれていた世界中のファンを歓喜させている。

羽生選手が演じる氷上のロックスターと、キスクラで柚子プーを抱いた、白ジャス姿のピュアな姿とのギャップも又魅力である。

コロナの閉塞感を吹き飛ばす、羽生選手の華麗なる演技に感謝である。