今世界ではコロナ感染者が再度急増しており、それに伴う経済不況や内戦、暴動といった暗い話題ばかりだが、そんな中でフィギュアスケートの大会が始まった。

日本では羽生選手が欠場で気の抜けたサイダーの様に物足りなく、アメリカでは地味なネイサン選手の一人勝ちで盛り上がらず、今見ていて一番楽しいのは、やはり人材豊富で熱気溢れるロシア大会である。

ロシアカップ第1戦ではシェルバコワ選手が圧巻の演技で優勝したが、昨年までの痩せすぎて不健康な感じは無くなり、少しふっくらとして女性らしい体型になった。

しかし、その分四回転ジャンプを跳ぶのが今後厳しくなるかもしれない。

 

第2戦は先週末行われ、男子ではプル様アカデミーの弱冠17歳、アルチョム・コバリョフ選手が優勝した。

彼は2年前に「サンボ70」からプル様の所へ移籍したそうで、まだ粗削りだが4Sを2本豪快に決め、「クィーン」のメドレーに乗り溌溂とした演技を見せた。

3位のグメンニク選手は昨年のJr時代からファンであるが、どこか羽生選手の影響を感じさせる、優雅で軽やかな「ファントム」は大好きである。

コバリョフ選手もグメンニク選手もまだジュニアの年齢であるが、やがてサマリン選手のようにマッチョな体型になるのだろうか、今はまだ考えたくない。

 

女子はトゥルソワ選手とワリエワ選手の一騎打ちとなり、フリーでクワドを2本成功させたトゥルソワ選手が逆転優勝した。

冒頭の4Lzは転倒したが、4T+3T、4Tも決め、ジャンプは全て高く、躍動感があった。

トゥルソワ選手の「ロミジュリ」は闘う気満々の演技で、羽生選手が少年時代に演じた「討ち入りロメオ」少女バージョンのようでもある。

羽生選手の演技もある意味超人的で現実離れしているが、トゥルソワ選手のフェミニンさをあまり感じさせない演技も又、アニメの「魔法少女まどか」や「灼眼のシャナ」のような闘う少女の二次元感覚に近い。

今回のロシアカップ第2戦は、男女共にプル様の勝利でコーチとして大いに株を上げた。

エテリ組のワリエワ選手はまだ14歳、修羅場をくぐった数はトゥルソワ選手より少ないことが、勝敗の分かれ目だったかもしれない。

 

それにしても、他の選手達の演技を見れば見るほど、羽生選手の代わりになる選手はいないことを思い知らされ、羽生選手の強くて美しい演技が益々恋しくなる今日この頃である。