神様を前にすると、心の中を全部見透かされたようになります。
実は私たちが境内に入った瞬間から、自分のありのままの姿を、嘘偽りなく神様とともに見つめる作業が始まっているんです。
私たちが何も言わなくても、神様には人の心のうちはまっすぐに届いていますが、神様は「自分で言う」のも人間の修行になると言います。
手を合わせると、今まで「あれを言おう」「これを願おう」と思っていたことが、全部流されて、頭の中が真っ白になります。
その空っぽになった頭の中には、透明な水がサラサラとたゆたんで、それがとても気持ち良い。
このときのポイントは、ご神気をいっぱいに吸い込むこと。
吸い込むためには、まずは吐くことがコツ。
ゆっくり、しっかり吐くと、たくさん吸えます。
次第に神様へのパイプが活性化されて、魂が優位になります。
五感も敏感になり、自然の音や匂い、色、風などを強く感じます。
どの器官が活性化するのかは、そのときどきによって違うので、視野を広く持っておくのがおすすめです。
「自分は聞くタイプ」「私は見えるようになりたい」などと自分で決めると、自ら感覚を閉ざすことになるから。
自然の心地良さに身を任せていると、たゆたんでいた水の中から、神様にお話したいことが一つずつ順番にあらわれます。
そして同時に、自分が何をすべきなのか、何が足りないのかが、自然と分かる、ひらめく、気づきます。
高度な参拝になると、参拝前後の私たちの心のあり方が全然違います。
また高度な修行になったあとはとても眠たくなるので、ゆっくり過ごされて下さいね。
気負わず、あせらず、大好きな神様へ会いに行ってみてはいかがでしょうか。