私と母との関係は、普通の親子とも、今流行りの友だち親子とも、少し違うような気がします。
妹は、私と母と祖母との関係を「うらやましい」と言います。
きっと曽祖母からつながれている、見えないスピリチュアルな伝承や、共通する信仰心の彩(いろど)りのことだろうな、と思います。
妹をのけ者にするつもりはありませんが、妹はその手の言い伝えや、見えない世界の香りそのものに反発するところがありました。
「耳に痛い」「見たくない」「聞きたくない」「怖い」「気持ちわるい」
そのような無意識の反応があるのは、その人の人生には必要のないこと、信仰心の色が違うということです。
下手に関わらせたり、匂わせるようなことがあれば、
お互いの信仰心を傷つけたり、トラブルにつながることが分かっています。
その妹の距離感や反発心は、妹自身を守るために神様から頂いているものなのですが、きっと本人はそれに気づくことはないでしょう。
さてスピリチュアルの女子会は、そのように人目を忍んで行われています。
曽祖母や祖母を交えるときは真っ昼間に行いますが、母とはたまに夜な夜な行うことがありました。
他の家族が寝静まったころに、母は二人分の甘いコーヒーを淹れてくれました。
その一杯を飲み終わるまでが、その合図です。
深夜の台所やコタツで、こそこそと不思議な話をするのは、とてもスリルがありました。
怖いもの見たさというか、無意識に低いほうにアンテナが向いてしまっているのです。
スピリチュアルへの理解が深まった今でも、電話で長話をしていると、いつの間にか夜の11時を過ぎていることがあります。
だいたいそのころには、二人とも低波動に引っ張られて、不穏な空気になっています。
本人同士はそんなことには気づかずに、嬉々としていて、不思議な話に花が咲いているのですが、突然そこに「ストップ」がかかります。
電話越しに、不穏な気配や波動を感じたり、スマホのノイズや不具合が起こり始めるのです。
周りにいる低級霊が活発になり、ググッと集まって来るのも感じます。
霊障の経験が多いと、濃い低波動を感じるだけで、そのときの記憶を体が瞬時に思い出します。
私は顔が赤黒くなるのを感じ、ぼこぼこと腫れぼったくなり、痒くなるので、そこでいよいよ「やばい」と感じ始めます。
母は、変なノイズや声、何ともなく気味が悪い黒い気配を感じるようです。
深夜の実家で行うときは、窓の外にこの世のものではない黒い人影がどんどん増えていくのが、ちらりと見えることもあります。
そういう不穏な合図をお互い感じてようやく、どちらともなく「そろそろお開きにしよう。」となります。
日が暮れてからのスピリチュアルは本当に危険で、おばあちゃんたちから何度も注意されます。
それでも、人の怖いもの見たさの欲求はとても厄介です。
霊的な感性がきちんと働けば、その低波動に、普通なら「怖い」「ヤバい」と感じ取れるものを、
霊障の一環で「楽しい」「心地良い」と誤認させられてしまうから。
それはいつでも、誰にでも起こり得ることです。
ですから、日ごろから日が暮れたらスピリチュアルをしないこと、考えないこと、話さないこと、怖いテレビを見ないこと。
ちなみにこのとき、体が受けた低波動の副作用は二日ほど後を引きました。
夜眠れない、夜更かし、だるさ、ぐちっぽさ、肌荒れなどとして。
回復するためには、まずは早寝をすること。
三日目は、ちゃんと11時までに布団に入りました。
スピリチュアルというと、神頼み、業、供養、魔、お祓い、浄化などと、何でもかんでもすぐに有名な用語に結びつけたり、見えないもののせいにしがちです。
浄化やクリアリング、グラウディングなど、〇〇をすれば大丈夫というのも、あの世や悪霊を軽視しすぎなのかもしれません。
まずは夜に怪談やスピリチュアルをしたり、夜更かしするなど、
後ろめたい悪習慣の見て見ぬ振りや、良心に反することをしていないかなど、自分自身の行いを見つめることが、何より大切なような気がしています。